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ニッポン風めぐり紀行

各種旅行記、バイクツーリング、乗りものレポ、老舗旅館や街道探訪など、『旅に生きる日々』を綴るブログです。

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呑処巡礼 五十二番 ~京都・伏見 吟醸酒房 油長

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全国的に見ても屈指の酒処である京都伏見。一度この街に宿泊して居酒屋を訪ねたいと思っていて漸く宿願叶った次第です。訪ねる店の第一候補は事前調査をもとに「鳥せい本店」だったのですが、店の外まで待ち客が溢れている様子を見て潔くあきらめました。代替候補は考えておらず街を歩きながら自らの嗅覚で探り出そうと思っていたのですが、表題の店については競馬を終えて伏見に戻り駅から宿への道すがらに事前に見つけていた物件で、店の奥に利き酒ができるカウンターがあることをその時把握していました。「鳥せい本店」に振られた場合にはこの店で下地を作った上で本格的に酒場巡りに繰り出すという思惑の下、代替策に切り替えた次第です。

伏見桃山駅から真っ直ぐに伸びるアーケード街「大手筋商店街」の一角にあり、酒蔵を模したような店構えは圧倒的な存在感を放っおり、店の外からでも品揃え豊富な店であることが一目で分かります。京都伏見に構える23の酒蔵・蔵元の酒をすべて取り扱っているそうで、吟醸酒・大吟醸酒・季節の酒が幅広く揃いさらには果実酒やワインも多くの種類が売られていて非常に活気旺盛な店内です。その店内の最奥にあるのが「利き酒カウンター」。実際に販売されている日本酒を試飲できるというもので、その数は常時80~90種類に及ぶそうです。15席ほどのカウンターはすべて埋まっていたので暫く店の商品を見ながら待機していたのですが、先客が辞去するタイミングを見計らってカウンターの一角を確保しました。

各銘柄はミニグラスと御猪口が選択でき、好みの酒があるならミニグラスでいただくことになりますが、色々な酒を呑み比べたい私のような初心者には御猪口三種を選べる「利き酒セット」が相応なところです。各銘柄の御猪口価格は200~400円程度、利き酒セットにしても1,000円程度という非常に手頃な価格設定です。品書きを熟読しつつ「甘くない酒」を基本路線に選んだのは の三種。これにお通しの豆腐とふきのとうの味噌漬けがつきます。カウンターを仕切る店主は膨大な日本酒銘柄のひとつひとつの特徴を熟知しているとみられ、それらの知識をフル活用した接客はお客と日本酒との距離をぎゅっと縮めてくれます。このあたりは酒問屋経営の利き酒カウンターならではであり、伏見の酒問屋としての自信と誇りが垣間見えました。お客側もどちらかというとお酒に長けた方が多いような印象を受けました。ひとつ印象に残ったのは「和らぎ水」の話です。これは酒の合間の酔い覚ましに飲む水のことで、私自身も居酒屋訪問の際にはいただくことが多々ありますが、その場合には同義の「チェイサー」という言葉で頼んでいました。和らぎ水という言葉もその意味も以前から知っていて、この美しい日本語を一度居酒屋で使ってみたいと心では思っていたものの、どれだけ世間に浸透した言葉なのかも分からず店員に通じない可能性もあるという心配から使用することを躊躇っていたのです。油長の品書には「和らぎ水」のもつ意味が解説されていたことから店側に通じることが即座に分かり、初めて「和らぎ水」という言葉で水を頼みました。もしかしたら京都で生まれた言葉なのかもしれません。店の解説によれば、水だけでなくお通しとして出された豆腐にも酔い覚ましや口直しとしての意味合いが込められているとのことでした。


日本酒の品揃えが多くおつまみ程度の酒菜も揃っていますが、通常の居酒屋のようにゆっくり落ち着いて飲むことには向かず、あくまで利き酒の店というのがこの店の主旨ですので自分好みの銘柄を掘り起こすことに専念するのが賢明でしょう。長時間だらだらと居座るのは格好が悪いですが、逆に本格的に居酒屋に繰り出す前の下準備や0次会という位置づけで利用するにはこれ以上ない店だと思います。


<2019.4.28>

・京姫 純米大吟醸
・都鶴 山田錦純米 極辛
・銀閣 荒武者
・ふきのとう味噌漬け
・豆腐


吟醸酒房 油長
京都府京都市伏見区東大手町780
10:00~20:30
火曜定休
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