ニッポン風めぐり紀行

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湯処巡礼 三十七番 ~熊本 人吉 新温泉

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人吉駅周辺の住宅や飲食店が並ぶ通りの路地裏に、突如現れるのが公衆温泉『新温泉』である。「新」といってもその佇まいは全く新しくなく、一体どれだけ時代が止まっているのかと思う程に歴史を感じさせる渋い公衆浴場である。このような公衆浴場が、人吉駅周辺の商店や住宅が立ち並ぶ一角にあるというのが素晴らしく、人々の日常生活に密着し長きにわたり愛されてきた温泉であることの証でもある。

13:00の営業開始の10分前に到着すると、まだ先客はいない。これは一番風呂が頂けるのではと少しソワソワしながら待っていると、まだ13:00前なのに地元のおばちゃんらしき人が扉を開けて女湯へと入っていった。それに倣い私も男湯の扉を開けると、番台のおばちゃんが「どうぞ」と迎え入れてくれた。




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創業は昭和初期。番台で300円を払うとすぐに脱衣場があり、ガラス張りの扉の向こうが浴場になっている。深水商店の看板、地元の店の名が刻まれた鏡や温度計、マッサージチェアや健康ぶら下がり機等等…。最近はどこの公衆浴場にも鍵のかかるロッカーや脱衣籠を入れるロッカーなどがあるものだが、ここにはそれらしきものがなく、脱衣かごを使って適当に脱ぎ置く感じ。畳間や長椅子もあるので自分の好きなように使ってよい自由さがたまらない。





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石造りの浴室内には浴槽が二つ。左手の浴槽が普段使われているもので、大人4人が入れば満員というくらいの大きさ。右手の浴槽は浅めになっていて、寝そべって入ったり子ども用の風呂として使っていたそうなのだが、近年は温泉の出が悪くなり、現在は使われていないそうだ。

最初は貸切状態で使わせていただいていたが、暫くすると久留米から来たという50歳代くらいの元気なおっさんが入ってきた。聞けば人吉近辺で山登りを楽しみ、帰り際にひとっ風呂浴びるために新温泉めあてに来られたそうだ。50歳代のおっさんがレトロレトロと興奮しているのだから、よっぽどレトロなのだろう。

風呂上がりの火照った身体に扇風機の心地よい風を当て、脱衣所の一角の畳の間にごろっと寝転ぶ。採光度の高いガラス窓からは、心地よい陽の光が差し込んでくる。これほどまでに贅沢な時間があるだろうか…。

湯処・人吉にはあちこちに温泉が開かれ、それ故各施設から湧出される湯量は減少傾向にあり、それは新温泉にしても例外ではないのだが、いつまでも守り続けてほしい、もはや国宝級の公衆浴場である。





<2015.10.12入湯>


人吉温泉 新温泉
所在地:熊本県人吉市紺屋町80
連絡先:0966-22-2020
入浴料:中学生以上300円 小学生120円 小学生未満60円(13:00~22:00)
定休日:第一月曜日
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