ニッポン風めぐり紀行

各種旅行記、バイクツーリング、乗りものレポ、老舗旅館や街道探訪など、『旅に生きる日々』を綴るブログです。

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呑処巡礼 三番 ~福山 自由軒

福山への出張があったお陰で、福山で飲むというまたとない機会を得た。広島なら数え切れないほどの出張機会があるのだが、福山に出張なんてことは滅多にあるものではなく、プライベートでも福山に宿泊した経験は一度もない。


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福山駅は駅の北口を出てすぐに福山城、南口には天満屋百貨店や元町の飲み屋街、そして国道2号線が通る。駅周辺は再開発されていて比較的新しい建物が目立つが、その一角に古き良き風情を残す居酒屋がある。店のすぐ目の前は巨大な天満屋百貨店、店の両隣の新しいビルに挟まれるという位置関係で、まるで此処だけ時が留まっているかのようなちょっと不思議な店である。
因みに、上の画像は翌朝のホテルの客室から撮影したものだが、2枚目の画像の左手の大きな建物が天満屋、中心の赤色の庇の出ている背の低い建物が自由軒である。





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奇妙なのは立地だけでなく、店先の暖簾も然り。「おでん・洋食 自由軒」とある。赤提灯もぶら下がっていることから居酒屋であるとも受け取れる。おでんと洋食という不釣り合いなメニュー構成の居酒屋という、少々理解が難しい物件である。



店の暖簾をくぐると、女将さんの「おかえりなさい。」の一言で温かく迎えられた。コの字カウンターはほぼ満席だったが、ちょうど入り口すぐの2席が空いていたので首尾よく着席できた。しかもちょうどおでんの目の前という特等席である。コの字カウンターの中には女将さんが入り、お客の注文をほぼ一人でさばいている。厨房はご主人と思われる男性が仕切り、5~6人のおばちゃんたちが活発に動き回っている。カウンターと厨房との無駄のない連携も絶妙で、見ているだけで気持ちがいい。





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私は麦焼酎を発注しマグロ刺しや手作りコロッケを肴に、同行者は日本酒とおでんを注文してちびちび飲み始めた。店内は人の熱気とストーブの熱で温かかったが、時折客の出入りで開く扉から入ってくる外の冷たい風が、火照った体には心地よかった。


さて、当然飲むつもりで入店したのだが、途中から気持ちが揺らぎ始める。酒類や一品料理、おでんの他にも、ラーメン、カレー、オムライス、やきめし、から揚げ定食、生姜焼き定食、とんかつ定食、魚フライ定食、カキフライ定食と、涎がダラダラ出てきそうな興味深い品書きがずらりと並ぶ。そして、周囲を見渡してみれば大半の客が定食やご飯ものを食べながら酒を飲んでいるのだ。左隣の一人客はカレーライス、右隣の熟年夫婦はオムライスとラーメンを食べていた。そういえば、自由軒の売りの一つは「洋食」だったなと改めて思い出し、私の気持ちもいつの間にか「飲み」から「食事」へとシフトし、気づけば「豚生姜焼き定食」を注文していた。





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ロース肉ではなくバラ肉を使った生姜焼きは私の好みではなかったが、濃い味付けでご飯の進む大変美味しい生姜焼きだった。赤だしの味噌汁やおでんにもつけ合わされる自家製味噌だれがかかった冷奴も美味しかった。これで680円という安さもありがたい。私の同行者は大好きな「やきめし」を頼もうかどうか迷われていて結局最後まで注文せずに店を出たのだが、出張から帰ってからおよそ一週間くらい、「やきめしが食いたかった…。」という後悔の念を執拗に口にしていた。


居酒屋のメニューももちろん充実しているが、自由軒の売りはなんといっても「洋食」だろう。仕事帰りの疲れた身体に、「おかえりなさい」と温かく迎えてくれる晩酌と夕食を兼ねた赤提灯の老舗が道端になったなら、これは間違いなく吸い込まれてしまうだろう。どうか益田に「自由軒・2号店」を作ってくれと思わずにはいられない、心惹かれる名店である。



<2016.1.25訪問>

・焼酎(麦)
・マグロ刺し
・手作りコロッケ
・豚しょうが焼き定食



福山 自由軒
広島県福山市元町6-3
084-925-0749
11:30過ぎ~22:00 火曜定休
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