ニッポン風めぐり紀行

各種旅行記、バイクツーリング、乗りものレポ、老舗旅館や街道探訪など、『旅に生きる日々』を綴るブログです。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

湯処巡礼 三十四番 ~鹿児島 薩摩川内 市比野温泉 元湯 丸山温泉

kyuusyuu20150254.jpg

市比野温泉は、薩摩川内市の山間の樋脇町にある静かな鄙びた温泉地である。

規模の大きい温泉旅館も点在しているが、温泉街というものは形成されておらず、どちらかというと、樋脇町の住民が暮らす一般的な町中に、ぽつぽつと温泉があるという程度である。しかし、その温泉一つ一つは実に素晴らしいもので、またひとつお気に入りの温泉を発見してしまった。






kyuusyuu20150253.jpg


kyuusyuu20150252.jpg

市比野温泉には100円程度で浸かれる地元住民ご愛用の共同浴場がいくつか点在している。その中で今回は、「元湯 丸山温泉」を選択した。駐車場に車を止め、坂道を下っていくと受付用の一般家屋と湯屋が見えてくる。受付周辺はどこか洋風庭園のような様相である。「こんにちは~。お風呂入らせてください。」と声をかけると、優しそうなおばちゃんが対応してくれた。「ゆっくり浸かっていってね。」という親切な言葉に癒され、湯小屋へと導かれる。ちなみに料金は150円である。







kyuusyuu20150250.jpg


kyuusyuu20150251.jpg

脱衣所に入ると、温泉の持ち帰りの節度ある利用を促すこのような注意喚起がされていた。このときは、飲用可能な温泉なんだなと軽く流してしまったのだが、これこそが市比野温泉の魅力だということが後になって判明する。









kyuusyuu20150249.jpg


kyuusyuu20150248.jpg

浴室は青を基調としたタイル張りで、朝の心地よい風とともに適度に採光されていて、中央に配置された浴槽の湯をキラキラと照らしている。常時ドバドバと注がれている温泉は、源泉かけ流しの正真正銘の本物の温泉。浴槽はやや深めで、床に腰掛けると口元あたりまでしっかりと浸かれる。お湯は無色透明で「しっかり熱い」というのが印象で、短時間で身体が温まってくるうえ、肌がつるつるになる。因みに源泉は48℃とのこと。

それにしても、此処の湯は綺麗で清冽。一切の濁りがない。濁りのある温泉ほどいかにも温泉らしく、質の高い温泉のように考えてしまいがちだが、透明で透き通った温泉もそれはそれで良いものである。そして、口元までしっかりと浸かれるため、温泉を少し口に含んでみたときに鮮烈がはしった。






美味しい・・・。





そして、脱衣所の張り紙のことをふと思い出した。



市比野温泉は、飲用の温泉としても非常に質が高く、人気のようなのである。そんじょそこらのペットボトル入りの水など比に値しないと思えるくらいに美味いのである。まるで、ミネラルウォーターに浸かっているような不思議な感覚。そして、これを冷やして飲めば、さらに美味しいだろうなという想像をせずにはいられなかった。



そんな想像にふけっていると、地元の60代くらいの温泉が入ってきた。聞けば、隣町からほぼ毎日この温泉に浸かりに来ているらしい。私が島根県から来たことを話すとたいそう感心された。お互い独身だというところから話が弾み、生命保険の代理店を経営されているということで保険の話になった。専門的な話が多く、分からないことが多かったが、要約すると今の日本の保険会社は将来が危ないとのことで、外国の保険会社に切り替えた方がよいという内容だった。外国も外国で実態がわからず信用がおけないところがあるが、確かに日本の保険会社も安泰とは言えないところがある。うちの職場にも頻繁に勧誘が来たり、加入している保険会社からプランの見直しの提案などをもらうことがあるが、それだけ資金運用がひっ迫しているということだろうか・・・。









kyuusyuu20150255.jpg


kyuusyuu20150256.jpg

樋脇町内には、道の駅『樋脇』があり、入浴後に立ち寄ってみると、待望の無料温泉スタンドを発見!!ペットボトルに温泉を汲み、道の駅の直売所で氷を分けてもらい、しばらく冷やして飲むと、少々大袈裟ではあるが、今まで飲んできたどの水よりも美味しい感動的な味がして正直泣けてくるほどだった。「天下の名泉」として人気があるのも頷ける。


道の駅や周辺のスーパーなども覗いてみたのだが、これだけ美味しい温泉水であるにも関わらず、ペットボトルなどで販売されているものを全く見かけなかった。探せばあるのだろうが、どうも積極的に製品化はされていないように見える。後々調べてみると、市比野温泉の源泉は33箇所もあり、町内で集中管理されているらしい。もしかしたら、安易な製品化を食い止める規制があるのかもしれない。そして、集中管理されている温泉は、各世帯に分湯されているらしい。飲用できる温泉自体が限られている中で、こんなにも美味しく、豊かな自然の恩恵を享受できるなんて最高の贅沢である。どうかこの先も住民の生活に根付き、訪問者が気軽に利用できる市比野温泉であってほしい。


いいお湯を、ありがとう。







<2015.10.11 入湯>


市比野温泉 元湯 丸山温泉
所在地:鹿児島県薩摩川内市樋脇町市比野2295-6
連絡先:0996-38-1589
入浴料:150円(7:00~22:00)






関連記事
スポンサーサイト

| 九州スタンプラリー | 11:09 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://kazemeguri.blog.fc2.com/tb.php/1688-2f2b92e7

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT