ニッポン風めぐり紀行

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『あの花』の魅力とは④(総括) ~『あの花』は薄情で冷酷

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このままだと『あの花』ブログになってしまうので、このあたりでいい加減区切りをつけたいと思います。


結局、『あの花』というのは薄情で冷酷な物語だと思うのです。特に作品で描かれている青春時代をとうに過ぎた30代40代の人間の心には強烈に堪える作品です。秩父の美しい風景や可愛らしいキャラクターに騙されてはいけないのです。


誰しもが心の奥底に美しく切ない記憶として刻んでいる過去を無理やり掘り起こされ、認めがたい現実と否応なしに向き合わされます。大人になればなるほど積み重ねてきた過去も多くなる訳ですが、戻りたくても戻れない、取り戻したくても取り戻せない、後ろを振り返って追いかけたくても追いかけることが出来ない、どうすることもできないことってあると思うのです。時が経ち、美しく切ない記憶として刻んだつもりの過去も、実はその裏側は生々しい痛みと傷で覆われていて、出来ればそっと美化して鎮めておきたい記憶なのですが、『あの花』は容赦なく本質を炙り出してくれます。


一方で『あの花』が物語るように、人はそれらの大切な記憶や思い出によって生かされてもいる訳です。前に向かって人生を歩んでいかなければならない宿命の中で、人は時にその重みに耐えかねて動けなくなる。そんなとき、苦々しい思い出が実は人の心を強くしていて、明日への一歩になっていることを『あの花』は教えてくれます。一種の喪失感と、そこから見出せる希望のようなものが『あの花』には込められていて、長きに渡って支持されている要因ではないかと思います。




それでもやっぱり、『あの花』は冷酷です。



めんまの純粋な笑顔を見るたび、強烈に心をえぐられる気がします。

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