ニッポン風めぐり紀行

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『あの花』の魅力とは② ~楽曲が秀逸


まず何といっても『secret base ~君がくれたもの』の存在が大きすぎます。『あの花』と『secret base』は、まさに無敵の最強タッグといったところでしょうか。もともと2001年に当時のバンドZONEが発表した楽曲ですが、「10年後の8月また出会えるの信じて」とある歌詞の通り、10年後の2011年にリメイクされて『あの花』の楽曲に選ばれたというのもドラマ性があって深い縁を感じます。物語と歌詞が完全に合致していて、何だかこの作品のために作られた曲なんじゃないかと錯覚する程です。キャラクターの声を担当している女性声優陣が実際に歌っているというのも素敵です。



しかしそれだけではありません。『Galileo Galilei』という北海道稚内市出身のロックバンドが提供している主題歌がこれまた秀逸。TV版のオープニング曲である『青い栞』と、劇場版の主題歌である『サークルゲーム』の2曲です。作中ではめんまを象徴するものとして「花・花びら」がよく使われています。タイトルにある「あの日見た花」というのもあの夏の日に突然現れためんまのことを指していて、各回のエンディングで流れる色の無い花が下に向かって落ちていき、『secret base』のサビと同時に反転し、色とりどりの花が今度は上に向かって昇っていく映像は、めんまの心象風景を表しているようでとても印象的です。





『青い栞』に関しては、まずイントロが好きですね。聞くたびにオープニングの映像が蘇り、『あの花』の世界に引き込まれるような不思議な感覚になります。何ページも費やして綴ってきた君と僕とのかけがえのない時間。どうしてか一行だけ遺された空白を埋めることが出来ない。その空白とは、君と僕との関係に微妙な距離があるのか、君の気持ちを確かめることが怖いのか、君との時間がいつか終わるものだと予感しているのか、いろいろな想像が出来るわけですが、空白を埋めることが出来ないままのページに青い押し花の栞を挟み、青い空の下へ引き込まれていくんだと歌詞は続きます。「くちびるで結んだミサンガ」など、作中のめんまとじんたん母との約束を連想させるような歌詞も織り込まれていて、いろいろな想像力を掻き立ててくれる爽やかな曲です。







劇場版主題歌の『サークルゲーム』もこれまた秀逸曲で、2曲のうちどちらかひとつを選べと言われたら私は『サークルゲーム』の方が好きですね。

忘れな草が咲く頃に 花びらの色思い出す 

静かな目をしたあの子と 高く空に上っていく夢


と始まるこの曲ですが、すべてがこの一節に凝縮されているような気がします。『サークルゲーム』という言葉にはいろいろな意味が込められていると思うのですが、"超平和バスターズ"のことを指しているのは明らかでしょう。その輪の中で笑うあの子は美しく咲く花のようで、君がいてくれるだけで曖昧なことも単純なことも全てがみんな花のように色づいていくのだとサビでは歌われています。"あの子"がめんまだとすれば、彼女はその輪の中から突然いなくなってしまった訳ですが、最後のサビでは、曖昧なことも単純なこともすべてが花びらのようで、漂いながら空を廻っているだけだから振り返らないで欲しい、風に運ばれた忘れな草がみんなを導くように追い越していき、ずっと先に花を咲かせてくれていると綴られています。私たちは人生の中でいろいろなことがあるけれど、後ろを振り返ることなんてできないから前を向いて生きていこうということを、忘れな草が教えてくれているのだという意味合いでしょうか。作中でめんまは自分自身の成仏と5人との別れの間で心が揺れていて、成仏して生まれ変わってまたみんなと仲良くしたいと願って最終的には成仏していきます。人生は後戻りが出来ず、ぐるぐると廻っていくものであるという「輪廻転生」の意味も『サークルゲーム』という言葉には込められていると思います。



作中でのめんまのイメージは、まさしく"忘れな草"なのです。『青い栞』というのは忘れな草の押し花で作った栞のことで、『サークルゲーム』では冒頭の歌詞から忘れな草が登場してきます。


ちなみにこの勿忘草。中世ドイツの悲恋伝説にまつわるある言葉が語源になっていると伝えられています。ある騎士がドナウ川の岸辺に咲く花を恋人のために摘もうとして岸を降りるのですが、誤って川の流れに飲まれてしまいます。騎士は流されていく中で最後の力を振り絞り摘んだ花を岸に投げ、「私を忘れないで」という言葉を残し死んだそうです。恋人はその花を墓に供え、彼の最期の言葉を花の名にしたという逸話です。



勿忘草の花言葉は、「真実の愛」「私を忘れないで下さい」。



愛する人が川に流される悲劇といい、私を忘れないでという言葉といい、『あの花』の物語とよく似ていますね。というか、きっとこれらの逸話も参考にされているのでしょう。素敵過ぎますね。





極めつけは、作中のBGMや挿入歌等を提供している"REMEDIOS"の存在です。作品のあらゆる場面で使われているREMEDIOSの楽曲ですが、相も変わらず泣ける曲が多く、私は特に最終話で弱っためんまを背負って秘密基地へ連れて行くときの場面が最も印象に残っていて、じんたんがめんまに対する思いをすべて吐露する台詞とそこで流れる曲が大好きなのです。じんたんとめんま2人きりの対話というのもこの時が最後になる訳です(思い出すだけで涙が・・・)。


ところでこのREMEDIOS。グループではなくて麗美という女性シンガーソングライターの別の活動名義なのですが、その名前といい歌声といい何処かで聞いたことがあるなという気がしていたのです。そしてよくよく調べてみると、わたしがかつて死ぬほど見た映画のBGMも手がけていたことが判明したのです。私は映画やアニメをほとんど見ずに育ったという話をしたかと思うのですが、唯一例外がありまして、それは岩井俊二監督の作品なのです。特に1995年公開の『Love Letter』と『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の二作です。簡単に説明すると、『Love Letter』は死んだ恋人のところに宛てた手紙を出したら、同姓同名の別人のところにその手紙が届いたと言うところから始まる素敵なお話、『打ち上げ花火~』は夏休みのある日、二学期から転校が決まっているヒロインが、そのヒロインに好意を寄せている男子2名に水泳の競争をさせ、勝ったほうと駆け落ちするという素敵なお話なのです。1995年というのは私にとっては人生で最も面白い歳といわれる中学二年に当たり(いわゆる中二病)、当時の思い出なんかもあったりしてもう数え切れないくらいに観まくった作品で、それぞれの舞台である小樽と飯岡のロケ地めぐりまでしてしまう程です。そして、この二作の楽曲を担当していたのも実はREMEDIOSだったのです。


というわけで、『Secret base~君がくれたもの』にGalileo GalileiとREMEDIOSを加えた最強艦隊が『あの花』の世界を実に美しく彩ってくれました。この先いくら歳月がたっても、これらの音楽を聴けばきっと『あの花』のことを思い出すんだろうと思います。

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| 『あの花』&『ここさけ』 | 17:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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