ニッポン風めぐり紀行

各種旅行記、バイクツーリング、乗りものレポ、老舗旅館や街道探訪など、『旅に生きる日々』を綴るブログです。

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日本一周後の5年間を振り返る① ~5年間の変遷

2009年の5月。

大学を卒業して社会に出てから3年程が立った私はそれまでの仕事を退職し、50ccのスクーターで旅に出る決意をします。およそ半年にわたって日本中を旅した記憶は、今もなお私の記憶の片隅に深く刻まれています。


日本一周の旅を終えて間もない頃、私は「今すぐにでも日本二周目の旅に出たい」という強烈な衝動に駆られ、実際に再び旅に出ることを目標として社会復帰し、貯蓄に励むようになります。しかしそこから現在に至るまでの人生はまさに苦難の道でした。再び旅に出ることを理想としながらも、仕事やお金や家族や将来のことなど、実際には超えなければならない問題がいくつもあることに気づかされます。時間が経つうちに旅の再開は遠い夢物語となり、旅の再開に拘るのかそれとも定職に就いて落ち着くのか、東京で暮らすのかそれとも故郷に帰るのか、家族や結婚はどうするのか。不安で心は揺れ動きます。本当に旅が好きなら、本当に日本一周に拘るなら、それ以外のことすべてを投げ打ってでも夢に向かって邁進するはずなんです。あらゆる分野においてその道のプロというのは、必ずそういう人生を歩んでいるものです。でも、私にはそれが出来なかった。結局具体的な方向性を見出すことが出来ないまま、自分の進むべき道を決めなければいけない大切な局面を避けたり先延ばしにしたりして、たらたらと過ごしてしまった5年間だったのかもしれません。その間の経歴こそが揺れ動く私の心を映しているかのようです。



日本一周を終えた2009年以降の人生について少しまとめてみました。




2009年10月・・・ 日本一周から帰還


2009年10月~2010年5月・・・
旅が終わって放心状態の期間。新たな旅立ちを目標に定め求職活動をするも結局半年間も無職生活を送ってしまう。日本一周達成直後は旅をやり遂げた充足感で満たされていたが、仕事が決まらず、貯金が底をつく寸前までいくという状況は精神衛生上大変よろしくなかった。



2010年5月-2012年3月・・・
無職生活にも限界が近づいてきたところで救いの神登場。郵便配達の仕事に非正規として採用される。仕事を覚えるまでは本当に大変で実際のところ最初の数日で辞めていってしまう人も少なくないのだが、私はどうにかそれを乗り越えて軌道に乗せることができた。




2012年4月-2013年2月・・・
3月で前職を辞め、故郷にUターンして職に就くが、まったく畑違いの職務であることが判明して仕事に馴染めず、1ヶ月もしないうちに退職してしまう。そして郵便配達に復帰。だがその翌年に別の職場で正規採用されることになり再度郵便配達を退職。郵便配達の仕事は自分に合っていて好きだったが、非正規から正社員に登用される道のりはかなり険しく、自分自身30代になり、正社員になるなら今動かねばという思いが心を支配するようになったが故の決断だった。



2013年2月-2013年3月・・・
沖縄(本島・久米島・渡名喜島)、北海道(北海道フリーパス)、小笠原を旅する。



2013年4月-2013年12月・・・
書類の配送関係の仕事に正規採用されるが、本ブログでもたびたび紹介したとおり、給与体系や勤務時間、残業や昇給などの規定が事前に提示されたものと大きな乖離があり、身体的・経済的・精神的に苦しい生活を強いられることになり、旅どころではなくなる。これをきっかけに、生活の安泰・精神の安定こそが旅の礎であるという考え方を強くもつようになる。違法であることを職場に訴えても改善が見られず、12月に退職。




2014年3月~2015年2月・・・
郵便配達の仕事に復帰。因みに、三度にわたる復帰劇は全て同じ局の同じ部署・班の同じ担当区に出戻っており、関係各所にはかなり迷惑をかけてしまったが、一方で向こうは向こうで慢性的な人手不足という事情があるので、どちらかというと歓迎ムードで復帰できているのが幸い。職場の人も担当地域の人も本当に温かく迎え入れてくれた。




これが日本一周した後の5年間の人生のすべてです。様々なことで悩み、それがこの定着せずに落ち着かない人生に集約されていると思います。今振り返って思うのは、日本一周の旅そのものの価値というのは、旅をした期間中のあれこれだけではなく、日本一周達成後の人生によって大きく左右され決定づけられているのだと思うのです。旅をした後に、「あの時旅に出て本当によかった」と思えるくらいに納得のいく人生を送れていれば旅には価値があったのでしょうし、逆に「今の自分はこんなはずではなかった」とか「旅なんてしなきゃよかった」と思うのなら、価値のない旅だったということになります。いずれにしても、旅の後の人生の歩みこそが旅以上に重要だということです。


この5年間というのは、旅の終わりとは一体いつなのか、日本一周の終わりとは一体いつなのかという問いと向き合う時間だったように思います。達成直後は日本二周目を夢見て具体的に動き出しましたが、現実を直視するうちにしだいにその夢はしぼみはじめていきました。それでもその現実を認めたくないという思いがあって、心の片隅にはしぼみかけた夢の断片が残されていたのかもしれません。しかし時が経つうち、日本一周は一旦封印して旅と仕事を両立する生活の確立を目指すという方針へと変わっていきました。あの旅から5年もたった今頃になって漸く心にけじめがつき、過去の日本一周は既に終わったことでいつまでも続くものではないこと、過去にしがみ付くのではなく新たな人生を歩まなければならないという思いが強くなり、気持ちに整理がついたような気がします。そんな今こそが、本当の意味での「日本一周の終わり」ではないかと考えています。ひとつの旅が終わらなければ、次の旅に出ることも出来ないですから。


ところで、この5年の間に気持ちが変化するきっかけとなった出来事というのがありまして、次の記事にて少し紹介してみたいと思います。

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| 日常の話題 | 17:37 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

今回の記事たいへん興味深く拝読しました。特に、あらゆる分野においてその道のプロは全てを捨てて邁進するというのは本当にその通りだと思いました。
そしておき3号さんと自分自身の人生における価値観の違いが浮き彫りになると同時に、同じように五年間足踏みをしてしまっているものの、やはり自分は近いうちに日本一周を再開するのだろうなと思えてきました。

私は家や財産など欲しいと思ったこともないし、結婚も頼まれてもしたくありません。何のためにこの人生を生きているのかと問われたら、それは幸せな家庭を築くことでもなく、世に名を成すことでもなく、金持ちになることでもなく、旅をするためです。他人から見れば大袈裟かも知れませんが、旅をすることが生きている目的、意味そのものなのです。
もちろん旅の他にも大好きな趣味や余暇はありますが、それらは所詮は日常生活に付帯しているものであり、ではその日常生活とは何かといったら仕事に付帯しているものであり、仕事とは何かといったら金を得るために仕方なくするもの、そして金は旅の礎に他なりません。
自分の事ばかりだらだら語ってしまって申し訳ありません。

おき3号さんが同じように御自身の人生における価値観と向き合い、人生の中での旅の位置づけを行ったわけですからそのために費やした五年間はまったく無駄なものではないと思いますし、これによって先の日本一周が今改めて価値を伴ってくるのだと思います。

| ビート★ | 2015/03/18 21:37 | URL |

おき三号さんこんにちは&先日はメールでのご報告わざわざありがとうございました、僕もビート★さんと同じく今は価値感の根幹を成しているのは「旅」でありすべての行動は旅のためにやっていると言っても過言ではありません。

すでに日本二周目の計画も具体化し十中八九実行に移すと思います(夏ぐらいまでがっつり働けば二年以上余裕で旅を出来る資金がたまりそうです)
ビート★さんのコメントと被りますが財産や地位や名誉と言うものを求める人はどちらかと言うと人からどう見られるかと言う事を気にする人(日本人には多い気がしますが)が多い気がします、僕は今は真逆で人からどう見られるかよりは自分がどう思うか(決して人の迷惑を顧みず自分勝手にと言う意味ではありません)に一番重きを置いてい生きて行きたいと思います。

今の僕の価値感は見る人からみればみすぼらしく低く見られるかもしれませんが自分ではこれ以上の幸せは無いと思っています。

ビート★さん以上にだらだらと語ってしまってすいませんw。

最後におき三号さんの今後の人生の歩みがすばらしいものになるようお祈りいたします。

| トミー | 2015/03/19 20:33 | URL |

Re: タイトルなし

ビート★さん>


おそらく郵便配達の仕事が天職とも思えるほど大好きだったというのが一番の理由だと思います。誰かに必要とされて仕事が出来ることにやりがいを感じていましたからそれによって日常生活全体が充実し、活動面でも充実感を感じていました。非正規だったというのが唯一最大の問題で、正社員登用されれば素直に続けるのですけどね・・・。


この五年間、ビート★さんのブログからは日本一周再開のタイミングを窺いながらも様々な問題が立ちはだかって悩まれている場面を拝見してきたので、今春出発はどうされるのかなと楽しみ半分・心配半分で注視しています。どうかご自身の納得いくタイミングで出発され、最高の旅が展開されることを願っております。故郷・島根でお待ちしています☆

| おき3号 | 2015/03/22 18:57 | URL |

Re: タイトルなし

トミーさん>

コメントありがとうございます。


そこまで旅に情熱を傾けられる姿勢はもはや尊敬に値します。全てを旅のためと捉えて仕事をするとか、家でも寝袋で寝ちゃうとか(笑)。

私は幸か不幸か、日常の中で幸せや充実感を感じてしまって、それが日本一周二周目への意欲を上回ってしまいました。4月から新たな職場になることで同じような充実感を得られるかどうかはまだ分かりませんが、そう思えるように頑張って行きたいと思います。

島根県を通過する際はご一報願います☆

| おき3号 | 2015/03/22 19:21 | URL |















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