ニッポン風めぐり紀行

各種旅行記、バイクツーリング、乗りものレポ、老舗旅館や街道探訪など、『旅に生きる日々』を綴るブログです。

2014年07月 | ARCHIVE-SELECT | 2014年09月

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北の港町にランプが灯る

前回の続きです。

前回は、北斗星で札幌に到着し、小樽へ向かおうとするも大雪の影響でしばしの足止めを食らうところまででした。


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結局、15時前まで札幌で足止めを食らい、漸く小樽への移動を開始します。札幌と小樽というのは遠いようで近く、近いようで遠いというのが印象です。古くからの港湾都市として栄えた小樽には歴史的な建造物が多数残されており、運河や坂道が織り成す独特な風情があります。その小樽に代わって現代の中核都市機能を担ってきた道都・札幌とは一線を画す文化の相違があるように思うのです。隣接した都市でありながら、手稲山を隔てるだけでこうも街の様相が違うのかと旅の魅力を再認識させてくれる両都市でもあります。


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小樽駅に降り立つと、早速オレンジ色に照ったランプが温かく迎えてくれます。優しいランプの灯火で飾られた小樽駅舎の改札を抜けるとすぐに、まっすぐに運河方面へと下る中央通の風景が眼前に現れます。この風景を見るたび、「小樽に来たのだな」という強い実感を抱かせてくれます。



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駅前のホテルにチェックインして荷物を置かせてもらい、小樽市街の散策へと出かけます。これから徐々に日が暮れ、ポツポツと街灯が灯り始めるという最高の時間帯です。都通りから寿司屋通り、小樽運河沿いを歩いて中央通というルートを2時間くらいかけてゆっくり散策しました。深い雪にすっぽりと覆われた一面真っ白の昼の世界から、幻想的なランプのオレンジ色と深く濃い紺青の空に包まれる夜の世界へと変わっていく姿が非常に幻想的でした。特に小樽運河は夏場や昼間に見る運河の姿とは一味違った美しさで、思わず見とれてしまいました。



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気温計が示す温度は氷点下5度。しかしそんな凍てつく寒さをも忘れさせてくれるほど、小樽の街はどこか温かみをもって私を包んでくれるのでした。

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| 13年2月/北海道 | 12:11 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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寝台列車は北を駆ける

前回の続き。

前回は上野から北斗星に乗車し、仙台で眠りについたところまででした。


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2013年2月21日(木) ~2日目


うつろうつろした意識の中で、05:20頃に青函トンネル突入を見届け、しばしの眠りにつきます。



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再び起床したのは06:40頃。北海道上陸を果たした北斗星は、木古内付近を走行中でした。初っ端からものすごい量の雪です。朝の放送が入り、およそ30分遅れで走行中であることに加え、グランシャリオの朝営業の案内がされます。


しばらく走行すると、函館手前の久根別で完全に抑止となってしまいました。七重浜でポイントの切り替えができず、復旧作業待ち。この時点で07:15。本来であれば06:35には函館に到着しているはずなのですが未だに到着できず、既に定刻より一時間遅れていることになります。一体札幌到着はいつになることやら…。まあ先を急ぐ旅ではないし、こうなったら何処までも北斗星と心中してやるという決意を新たにします。



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07:35に一時間遅れで函館に到着し、機関車交換作業を見届けます。このとき、初めて厳冬の北海道に降り立ったわけですが、本州とは量も質も異なる湿気のない雪、そして肌を刺すような凍てつく寒さは今でもはっきりと覚えています。そして、函館を出発した直後の五稜郭では、同じく抑止中のトワイライトEXPを追い抜くという貴重な場面に遭遇。トワイライトも本来であれば函館はそのまま通過し、洞爺付近を走行している時間なのですが、こちらもだいぶ遅れているようです。



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函館を出ると、雄大な北海道駒ケ岳の美しい風景を眺めながら走行します。つい先ほどまで大雪が降っていたのに地域によって天気がコロコロ変化し、これだけ綺麗に駒ケ岳が見られるのですから不思議なものです。


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08:30に森駅を出発した後、ここで満を持して食堂車での朝食をいただきます。右手に噴火湾が見えるタイミングを見計らって来店したのですが、座席もちょうど空いていて助かりました。クラシックをBGMにナイフとフォークで洋食なんて私の柄ではないのですが、食堂車で食事をするというのを一度やってみたかったのです。よくよく考えたら食堂車で食事というのは人生初かもしれません(最初で最後かもしれない)。朝食は和食・洋食から選べるようになっていて、いずれも1600円。質も量も価格には相応しくないなんてことないものですが、この雰囲気を味わうだけでも価値があるというもの。


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11:15。定刻であれば札幌到着の時間ですが、現在地は苫小牧手前の白老。ここで寝台特急なのに後続の特急スーパー北斗に抜かれてしまいます。胆振地方は実にいい天気で列車も快調なのですが、本数の多い札幌都市部に入るとさらに遅れる可能性もあり、この先の展開がまったく読めません。ところで、ソロ個室の上段の室内はこんな感じです。通常ベッドとして使用する部分に肘掛を出すと特等席が完成します。上段なので天井部分は曲線状になっていて窮屈なので、座席は窓から若干離れた位置になっています。



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12:40。約一時間半遅れで漸く札幌に到着しました。およそ16時間(+1時間半)に及ぶ北斗星との逃避行もここで終幕となります。札幌駅では後ろを追いかけてきたトワイライトEXP.との並びが実現!


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さて、長旅の余韻に浸るまでもなく、問題はこの先の旅程です。到着前の車内放送で、札幌圏内が大雪の影響でダイヤが大幅に乱れているとの情報を掴んでいたのですが、いったん札幌駅の改札を出てみると列車の運転再開を待つ利用客でごった返していました。旭川方面は夕刻まで全面運休、小樽方面も三割程度の運転という状況。そもそもの予定では小樽方面へ向かうつもりでいたので、このまま列車が出発する時刻まで辛抱強く待つことにします。

| 13年2月/北海道 | 13:37 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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(一日目) 北斗星で札幌へ

もう1年以上前の話になってしまって恐縮ですが、10日間の予定で厳冬の北海道を旅したときの模様を紹介していきます。当時は、テキスト文書のみの記事をリアルタイムで上げていたのですが、あまりにも簡易的過ぎてこれでは後で見返しても面白くありません。いつかは画像を入れた記事を整理しなくてはと思いながら月日はめぐり、いつのまにか1年半が経過してしまいました。



2013年2月20日(水) ~1日目



北斗星が上野駅を出発するのは19時03分。



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もちろんここは旅立ち前の旅情を楽しみたいので自宅を早めに出発し、18時20分には駅に着いてしまいました。北斗星は18時45分頃に13番線に入線してくるわけですが、その時を今か今かと待ち構えます。上野駅は何度も利用していて、このホームにも写真を撮りにきたりしたことも過去にはあるのですが、やはりこのときの感情は特別でした。これから入線してくる札幌行きのブルートレイン『北斗星』に、私はこれから乗客として乗ることになる。「上野発の夜汽車に乗って北へ旅立つ」というのをずっとやってみたくて、その夢が今叶えられようとしていると思うと、胸の高鳴りを抑えることができないのです。


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18時45分。これよりおよそ16時間の旅を共にする札幌行き『北斗星』が入線してきました。ホームで一通りの撮影を終えて今晩の寝床となる9号車に乗り込みます。


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ちなみに北斗星にはソロの個室が37室あります。まず5号車が全室個室で17室、6号車が半分個室(半分ロビー・ソファ)で8室、9号車が半分個室(半分ロイヤル)で12室という内訳です。部屋が広くて窓が大きい5号車の下段を希望していたのですがあえなく満席。5・6号車は北海道車、9号車は東日本車で同じソロでも室内外のデザインは大きく異なります。東日本車は木目調。

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通勤客と貨物列車で賑わう大宮を過ぎると車窓を流れる明かりも徐々に少なくなっていきます。個室内で車掌氏が検札に来るのを待っていたのですが、どうやらソロは盛況なようで、室内からも車掌氏の声が聞こえるのですがなかなか近づいてくる気配がないのです。漸く自分の番が来たところで切符を見せ、「宜しくお願いします」と一声かけます。その後すぐに7号車のグランシャリオに行き、シャワーカードを購入。19:00~23:00までの間で30分単位で時間を決めて予約をし、シャワーカードをいただきます(¥320)。

一通りの要件を済ませるとシャワーの時間まで車内探索を開始します。11両編成の隅から隅まで歩いてみたのですが、印象としては人の気配があまりないということでしょうか。ソロやロイヤルといった個室は盛況なようなのですが、開放型B寝台を覗いてみるとどこもがらがらでまさしく空気を運んでいるような漢字でした。ちょうど札幌雪まつりが終幕した今の時期は、閑散期にあたるのでしょうか。


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21:30頃。列車は白河の関を越えていよいよ東北に突入しようかというところ。グランシャリオはパブタイムに突入し、私はシャワータイムに突入します。サンライズ出雲で散々利用してきたので、列車内のシャワーの取り扱いはお手のもの。なぜかシャワーカードはカシオペア仕様でした。


23時30分に定刻どおりに仙台駅を発車。仙台を過ぎると、次の停車駅は明朝06時35分の函館です。とりあえず青函トンネル突入を見届けることを目標に、しばしの間就寝となります。


@北斗星 車中(泊)





| 13年2月/北海道 | 21:42 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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宿泊帳簿08.新潟 新潟パークホテル

惜別あけぼのの旅 最終回となります。


青森での活動は昨日ですべて終了となり、これより2日間かけて青春18きっぷを使ってあけぼので辿ってきた道を戻って帰路につくという旅程。とりあえず今日の目的地である新潟までひたすら南下を続けます。


青森(0709)⇒弘前(0749/0752)⇒大館(0835/10:00)⇒秋田(1148/1210)
⇒酒田(1356/1429)⇒新発田(1753/1813)⇒新潟(1848//)


日本海沿いの主要都市で乗り継ぎを行いながら合計6本の列車を乗り継ぎました。特に酒田以北はJR東日本が誇る悪名高き701系の運用・・・。ボックスシートがひとつもなく、わざわざ美しい風景に背を向けて座るロングシート車両という701系が東北地方の多くの線区で採用されるようになり、この車両の存在が東北への鉄道旅の意欲を削ぎ落としてくれます。





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さて、舞台は一気に新潟に移り、新潟パークホテルの紹介です。

当ホテルHPからのベストレート保証予約で、1泊朝食付3780円で利用しました。最寄は万代口とは真反対にある新潟駅東口で、歩いて5分くらいのところにあります。


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ホテルの隣にはコンビニ、道を挟んだ目の前にはファストフード店、それ以外にもファミレスや焼肉店など周辺での飲食には困らないものの、万代口方面へは少し遠回りした位置にある自由通路を使って10分くらいかかるため、繁華街に飲みに行くという場合にはやや不便です。


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ホテルの外観の古さは否めないものの、館内および客室内はリフォームされていて清潔感があります。コンセントの位置、テレビとベッドの角度、テーブル・椅子とテレビの位置関係など室内での快適さを左右する細やかな要素も悉く抜群で大変よろしい。


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私は利用しなかったのですが、時間入替制の大浴場のほか、マンガ本3000冊・マッサージチェア・無料コーヒー・電子レンジなどのサービスを揃えた共用スペースなどもあってなにかと便利です。


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そしてこのホテルの最大の魅力は朝食にあります。この旅では最初から体調不良に悩まされてきたわけですが、ここの健康朝食をいただいて以降は体調が一気に回復しました。地元のママさんが取り仕切っている和洋30種類以上のバイキング形式で、地元食材を使用したママさんたち手作りの煮物系や具沢山の味噌汁のほか、ヤスダヨーグルトなども揃えられています。その中でも秀逸なのはカレー!!もちろん業務用のレトルトなどではなく、具材がごろごろ入った本格的なもので、美味しすぎて3杯もおかわりしてしまいました。

カレーをはじめとした料理の数々はどれもこれも美味しく、今まで味わってきたホテル朝食の中では間違いなく3本の指に入ります。万代口からやや遠いという一点を除けば非の打ち所がなく、この朝食を味わうためにホテルに泊まってもいいとも思えるくらい、新潟宿泊時の定宿となりそうな物件です。

体調が優れないなか、健康で豊かな食事がいかに有り難いことなのかを痛感した新潟滞在でした。

ちなみに最終日は午前中まで新潟滞在、午後に長岡での用事を済ませ、

長岡(1757)⇒水上(1953/2008)⇒新前橋(2103/2109)⇒上野(2306/2313)⇒地下鉄

と乗り継いで日付が変わる頃に無事に帰宅となりました。



<2014.3.11宿泊>
(1泊朝食付¥3,780 ※ホテルHPより予約)

■新潟パークホテル 
所在地:新潟市中央区南笹口1-8-10 (新潟駅東口 徒歩5分)
連絡先:025-245-5571
特記事項:大浴場完備、種類豊富な手作り朝食

| 14年3月/惜別 あけぼの | 20:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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宿泊帳簿07.青森 ホテルニュームラコシ

青森は、全国屈指のビジネスホテル低価格激戦地区である。

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理由は単純明快である。首都圏から最も遠い東北の県庁所在地・青森市に東北新幹線が開業したのは2010年12月のことだ。それまでは八戸から特急利用で4時間半かかっていたものが、乗り換えなしでおよそ70分短縮されて3時間20分で到達できるようになった。さらに八戸駅開業も2002年とつい最近のことで、首都圏から見た青森は本州最北の遠隔地であり、その所要時間を飛躍的に短縮してきたのはつい最近の話なのだ。


つまり首都圏から青森へのレジャーや出張には宿泊が必要になり、駅前には数多くのビジネスホテルが建つようになる。しかし、新幹線の開業によって日帰りが可能になり青森での宿泊者が減少すると客室の供給過剰となり、低価格競争が展開されるようになるのだ。



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そんな青森で私が利用したのは『ホテルニュームラコシ』。駅から徒歩1~2分という好立地にも関わらず、1泊の料金は衝撃の¥2,000!!!しかもツインルームというのがすごい。



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青森に到着して一旦荷物を預けに行ったのだが、フロントのピンポンを押しても待てども待てども従業員が現れず、どうしようもないので呆れてフロント前のソファで朝刊を読みふけってしまった。別の客が現れてしつこく呼んでもらったところで漸く従業員が現れた。フロントはどことなく乱雑で謎の置物や飾り面が多数、そしてやたらとコミック雑誌が山積みになっている。


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部屋は必要最低限の設備は揃っており、2,000円でツインルームに泊まれるというだけで元は取ったというもの。ただし、冷蔵庫はついていない。すぐ隣には東横インが建っていて、窓を開けても眺望は外壁である。共同浴場もあるとのことだったが、体調を考慮して利用せず、部屋のシャワーで済ませた。

お世辞にも綺麗とはいえないホテルであるが、身体を休めるだけなら十分で、宿泊費を安く上げたい旅人には格好の物件である。ゲストハウスやカプセルホテル、ネットカフェよりも安く快適である。


<2014.3.10宿泊>

■ホテルニュームラコシ
所在地:青森市安方1丁目3-7
連絡先:017-722-8095

(※楽天トラベル利用:1泊素泊まり2,000円)

| 14年3月/惜別 あけぼの | 23:19 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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惜別あけぼの乗車記⑤ ~青森での諸活動

前回の続き。

長時間にわたる「あけぼの」の旅の末に青森に降り立ち、青森で展開した諸活動の紹介。


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10時40分頃に青森に到着。この日は日中いっぱい市内で活動し、青森に一泊して翌朝帰路につくというのが大まかな日程。青森市内での具体的な活動については特に考えていませんでした。温泉に浸かるもよし、味噌バター牛乳ラーメンを食らうもよし、港に眠る青函連絡船の傍らで海を眺めるもよし・・・と考えていたのですが、何せ体調不良・・・。一晩車内で休んでいくぶん回復したような気もしますが、あれもこれもと意欲的に活動をこなそうという気にはどうもなれず、ひとまず宿泊予定の駅前すぐのホテルに荷物を預けにいきます。




■ メモリアルシップ 八甲田丸

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まずは、青森の海でゆっくりと身体を休める青函連絡船・八甲田丸を表敬訪問することに。青森市内は既に雪はやみ、寒さこそ厳しいもののほぼ快晴という穏やかさ。しかし積雪量は非常に多く、足元はべちょべちょで歩くのには難儀する。この日は残念ながら休業日で船内見学とはいかなかったが、真冬とは思えないような穏やかな海にカモメの鳴き声がこだまする長閑な雰囲気の中で、八甲田丸を見上げその歴史に思い耽る至福のひとときを過ごす。荒波険しい津軽海峡の連絡という重責を担い、歴史を積み重ねてきた八甲田丸。今は故郷青森の海でゆっくりと幸せな余生を送っている日本一幸せな船かもしれない。




■ 青森魚菜センター

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昼時になってきたので、青森の台所と言われる古川市場を訪問。この頃には体調も少し回復し、昼飯でも食おうかという気分になってきたので、"のっけ丼"を食ってやろうという魂胆。基本的には釧路の"勝手丼"と同じで、ご飯を買って市場内をうろちょろし、好きな具材をのっけていくというもの。釧路と違うのは事前に食事券を購入してそれと引き換えに具材を購入するというルールがあること。1000円分と500円分があり、白飯は別途100円で購入することになる。


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サーモン(2切)、えんがわ、ネギトロ、〆鯖、イクラ、大トロ中落ち 以上6品を購入。

私が購入した1000円券は、100円券が10枚綴りになっていて、ネタの価格に応じて券を切り離して交換していく。1000円でこれだけのっけれれば十分。かなり脂っこい品揃えになってしまいましたが、問題なく間食となった。ちなみに小分けの具材はサービスでいただいた真たらこ味付!


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ところでこの古川市場界隈。青森駅至近の位置にありながら、駅前再開発などの手が入っておらず、昭和の古きよき露天街の雰囲気を残している。特に青森魚菜センター裏通りの雰囲気は秀逸だ。まずセンターの建物の裏口から出てみると、発泡スチロールが乱雑に放り投げられ、売り物にならないような小魚がじかに地面放置されてそれをカラスがつついている。センターのすぐ隣では、おでんや煮物を鍋のまま火にかけたり大皿で惣菜を並べる露天が軒を連ね、その傍らでは割烹着姿のおばあちゃんが編み物をしながら店番をしているという実に素敵な光景が見られる。魚介の生臭さと惣菜の匂いが入り混じり、非常に独特の雰囲気があり一見の価値ありだ。



■ 思い出の地 青森市長島 青森県庁・青い森公園前

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活動の〆は国道ネタ。青森市長島の青森県庁・青い森公園前は東京と青森を結ぶ国道4号線および新潟と青森を結ぶ国道7号線のいずれも終点となっていて、ちょうどこの地点が両国道の分岐点になっている。ちょうど一年前、東京から青森まで国道4号線を走破する(もちろん全部下道)というのをやり、そのゴール地点がここであり、私にとっては思い出深い場所で、旅好きの方にとってもたまらない場所であると思う。ひとつの旅が終われば、また次の旅が始まる。旅に終わりはなく、何処までも道は続いているという旅の真髄を実感させてくれる場所だ。

これにて青森での全活動終了。

| 14年3月/惜別 あけぼの | 23:37 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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惜別あけぼの乗車記④ ~終着・青森

前回の続き。

日本海縦貫線の中でも、村上から先の区間というのはとりわけ車窓が美しく、私の大好きな路線のひとつだ。秋田までは鄙びた漁村が連なる人口の希薄な日本海沿いを走り、能代を過ぎて内陸部に入ると一気に積雪量が増え、雪深い津軽の地を往く。新幹線が全国で整備されるようになり、全国各地の幹線路線がJRから経営分離され路線網から分断されるという流れが趨勢を極めるなかで、日本海側を走る羽越線・奥羽線に関してはしばらくの間は問題なさそうだ。


長岡以降も寝たり起きたりを繰り返しながら過ごし、明朝の「おはよう放送」でいよいよ目が覚めた。ぐっすり熟睡の後の快適な目覚めとはいかず、体調不良も相まっていまいち気分はすぐれない。外を見ればちょうど仁賀保を発車するところだった。仁賀保といえばTDK。駅を出てすぐの車窓からは巨大なTDKの社屋も見えた。TDKと「あけぼの」はきってもきれない関係であったに違いない。夜遅くに乗車でき朝早くに目的地に到着できるためにTDKの社員にとっては使い勝手が良く、「あけぼの」にとっては大切なお客様であっただろう。ここまであけぼのが生き延びてこれたのも、TDKの存在があったというのも要因のひとつだろう。

ところで、おはよう放送が入ったのは6:26頃。本来、仁賀保到着は5:48であるので40分近く遅れていることになる。実は深夜の新発田あたりで長時間停車しているのをぼんやりと覚えていて、その時外は猛吹雪だったのできっと遅れているだろうと思っていた。放送によると、新発田付近で踏切故障があったらしく、その影響で遅れているとの事だ。冬の日本海沿いを走る「あけぼの」に定時運行を求めるなんてことはまさしく無謀で、遅れるという前提に立って利用しなければならない。そして、この先いくら遅れても最後まで「あけぼの」と心中してやるという覚悟が必要だ。


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「あけぼの」が走る日本海縦貫線は風雪厳しい過酷な路線だが、車窓風景がめまぐるしく変化する面白さがある。村上から鶴岡までは日本海の荒波のすぐ脇を縫うように走り、鶴岡~酒田間は広大な田園風景の広がる庄内平野を走り、酒田から秋田までは再び日本海を望む。このあたりの気候というのは風雪は確かに厳しいのだが、海沿いなので積雪量は少なくうっすらと積もる程度で時折晴れ間も見えるほどだった。とはいえ、厳しい風雪にさらされる東北の日本海の漁村風景である。秋田~能代~大館と進んで、山深い地域に入っていくと様相はがらりと変わる。圧巻は秋田・青森県境の矢立峠で、よくもまあこんな山間部の豪雪地帯を鉄道が走るものだと感心してしまう。白沢・陣場間には有名な撮影スポットもあり、この日も豪雪にもかかわらず大勢の鉄道ファンがお立ち台にたっていた。地域によって様々な表情を見せる越後・東北の雪深く風雪厳しい土地を、青い車体が走り抜ける風景は実に美しい。



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仁賀保で到着してから青森到着までの間、体調が優れないこともあってあまり室外には出ず、室内で過ぎ行く車窓を眺めていた。鷹ノ巣からはあけぼの関連の物販カートと共に、大館の名物駅弁の『鶏めし』を販売する花善が車内販売を催すのだが、体調不良で食欲があまりなく、ちょうどA寝台の通路で行列ができてしまったというのもあって出るのが億劫になり、結局終点まで室内にいた。洗面台も室内にあるのでトイレに行く用事くらいしか外に出ることはないのだ。



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長い旅路の果て。北の雪国・青森到着は午前10時40分。定刻より45分遅れの到着となった。多くの乗客(ほとんど鉄道ファン)が終点まで乗りとおしたものと思われ、中折れ式のドアが開くと一斉に乗客がホームに繰り出した。上野で感じた寒さとはまったく異なる別次元の寒さ。吐く息は白く濃く、身体の芯まで冷えが伝わってくる。およそ13時間を走りとおした青い車体には、壮絶な戦いを物語るように雪がびっしりとへばり付いていた。

| 14年3月/惜別 あけぼの | 22:26 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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惜別あけぼの乗車記③ ~旅に心は躍らず

以前の記事で、心の平穏こそが旅の礎であるという記事を紹介した。



心配事や悩み事を抱えていると、旅先で出会う景色の見え方も変わり、心底旅を楽しめなくなるという考え方である。しかし、そもそも多くの人は何かしら悩みを抱えながら生きているのであって、まったく悩みがないという人は稀。であるならば、どのようなときであっても「なるようにしかならない」とどっしりと気持ちを構え、人生を達観できるような強い気持ちを持ち、オンオフをしっかりと切り替えて旅を楽しめるような旅人でありたいものだ。






やっとのことで手に入れた廃止直前のあけぼのA寝台を利用した旅だったが、旅を終えた今になって振り返ってみると、この時の私は心の底から旅を楽しめていなかったように思う。


理由は2つある。


一つ目は仕事のこと。勤務条件に納得がいかずに12月末に仕事を辞め、このとき既に無職のまま3ヶ月が経過していた。安定した収入がなく、いよいよ貯金も底をつくのではないかという緊迫した財政状況の中で、よくもまぁ寝台特急などに乗ったもんだと当時の自分に感心してしまう。今を逃したらこの先一生あけぼのA寝台には乗れないという気持ちが旅立ちを後押ししたのだろう。とはいえ、安定した収入のない状態というのは精神衛生上良いものではなく、もやもやとした不安を心に抱えながら車窓を眺めていた。


もう一つは体調の悪さだ。この日は朝からすこぶる体調が悪かった。発熱や咳や頭痛といった症状ではなく、身体の節々が痛む+強い胸騒ぎが続く+食欲が全くない+毎度お馴染みの鼻血が止まらなくなるという訳の分からない合体症状により、完全に気力体力のない最低な状態。鼻血が出やすい体質だというのは以前にも本ブログで紹介したが、とにかく私の鼻血は出方が尋常ではなく、ティッシュを鼻に詰めてもすぐに全体が赤く染まってポタポタと滴り落ち、塞き止めきれずにもう片方の鼻の穴からも出血。つめたティッシュを抜いてみると、血栓のような血の塊が連なって出てくるという大惨事を引き起こすのだ。


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事前にある程度の食糧を買い込んで乗車したのだが、体調不良の影響もあって食欲がまったく湧かなかった。何も飲み食いせずに、鼻にティッシュを詰めながら車窓をぼんやりと眺めていた。光り輝く都心を抜け、荒川を渡って大宮辺りまでは車窓も明るくにぎやかなのだが、徐々に暗闇が際立つようになり夜が更けていく。高崎を過ぎて上越線に入ると、ここからいよいよ本格的に旅が始まるという雰囲気になるのだが、このあたりで一度眠りについてしまう。水上で目が覚め、清水トンネル突入を確認。石打あたりで再度目がさめ外を見ると、一面の銀世界だった。私は雪原を走る列車の静かで響かない独特の走行音というのがとても好きで、その走行音に包まれるだけで雪国に来たのだなということを強烈に実感させられる。その後は先述の体調不良も影響してぐっすり熟睡とはならず、寝たり起きたりを繰り返す状況。客車が停止する衝撃で目が覚めると「ながおか」の駅標。曇った窓の水滴は冷たく、雪の粒が張り付き外気の冷たさが窓の冷たさを通して伝わってくる。


まだまだこの先、極寒の厳しい旅路が続きそうだ。

| 14年3月/惜別 あけぼの | 16:26 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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惜別あけぼの乗車記② ~シングルDXの世界

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A寝台 13,350円。


B寝台 6,300円。





皆さんは、この寝台料金をどのように考えるだろうか。


寝台料金を宿泊料金と捉えれば、やはり寝台列車の"宿泊費"の割高さは否めない。仮にビジネスホテルに泊まろうとして6,300円払えば、平均的あるいはそれより上の広めのシングルルームに朝食付(簡易なものではなく本格的なバイキング形式)で利用することができるだろう。そして13,350円も払えば、1泊2食付で立派な旅館に泊まることができるだろう。

寝台料金にはもちろん朝食などはつかないし、個室も圧倒的に狭い。私もかつて利用したことがあるB個室にいたっては室内で直立すらできないという狭さだ。開放型B寝台ともなれば、その広さや設備はカプセルホテル以下である。そもそも完全なプライベート空間ではない。乗客どうしの交流、さらに寝ている間に移動でき、動く景色を眺めながら過ごすことができるという利点を差し引いても、やはり寝台列車は高い。人件費など様々な事情があるのだろうが、この割高感が寝台列車衰退の一要因となったのは明らかである。





さて、そんな今は無きA寝台シングルデラックスの室内を紹介。



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A寝台シングルDXは1編成に7号車1両のみで全11室しかない。そう思うと、このタイミングで寝台券を入手できた奇跡っぷりにただただ驚くばかりである。車内は進行方向左側に通路が伸び、右側に客室がズラリと並ぶ構造。任意の暗証番号をテンキーで入力して入退室するシステムになっている。



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室内の全景を撮るつもりでシャッターを切ったのだが、部屋が狭すぎて全景が収まりきらず・・・。B寝台は本当に寝台だけという室内で、立ち上がることも歩き回ることもできなかったのだが、A寝台になればそれも解消。とはいえ、やはり狭い・・・。シングルDXは1人用の個室なのだが、ベッドの上部壁面にはもうひとつベッドが収納されていて、2人用の二段ベッドとしても利用することができる。ちなみに2人で一部屋利用の場合の追加料金は9,540円。




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歴史を感じさせる木製の化粧台兼物置き。ハミガキセットや化粧水などの入ったA寝台の特権ともいえるあけぼのエンブレム入ポーチセットは、このまま持ち帰りOK。中段右側のスペースにはかつてはTVが設置されていたそうだ。金色の金具部分を引っ張れば台面が出てくるが、驚くほどちょびっとしか引っ張り出せない。上部には鏡もあるので、朝の支度などはすべて個室内で行うことができる。



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化粧台の隣には、引き出し式の洗面台。


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照明や空調の調整やアラーム機能、音楽プログラムが聞けるチャンネルのついた機器系統。音楽はクラシックやヒーリングなどが中心。

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入り口上部には広めの物置。先ほど2名での利用も可能であると記述したが、予備の浴衣や枕なども準備されている。はしごの後ろには隣部屋と行き来できるドアが備わっている。


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そしてベッドを引き上げると立派な座席へと変貌する。座面に比べて背面が異常にでかく、ここでも2人が一緒に座れる仕様となっている。この個室は進行方向に向かって座ることができ、大きな窓から流れる景色を眺めながら優雅なひとときを過ごすというのを実現することができる。



B個室に比べると室内は圧倒的に広く設備面でもまったく問題ないのだが、やはり対費用という意味では満足感に欠ける部分があるのは否めない。もう3~4割くらい安ければ気軽に利用できるような気もするのだが、維持管理費用を考えるとそうもいかないのだろうか・・・。

| 14年3月/惜別 あけぼの | 11:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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