ニッポン風めぐり紀行

各種旅行記、バイクツーリング、乗りものレポ、老舗旅館や街道探訪など、『旅に生きる日々』を綴るブログです。

2014年05月 | ARCHIVE-SELECT | 2014年07月

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上野発青森行の夜汽車に乗って・・・

昨年秋に敢行した奥秩父ツーリングの報告がようやく完結しました。



さて早速ですが、次の活動報告は廃止目前に乗車した寝台特急『あけぼの』での青森への旅の様子をお送りします。

寝台特急『あけぼの』の廃止が発表されてからというもの、どうしても最後にこの列車に乗っておきたいという気持ちを抑えきれず、最後の最後に幸運にもきっぷを獲得できたので旅を決行することにしました。




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石川さゆりの『津軽海峡冬景色』に代表されるように、「上野発青森行の夜行列車」というのは独特の寂謬感があります。かつての上野は各地へ向かう夜行列車の発着で賑わいを極めた停車場で、特に東京で働く北国出身の人々にとっては、故郷へ通ずる夜汽車にはそれはそれは深い思い入れがあったのだと思います。私はその頃の隆盛を知らないし、私自身は山陰の出身なので東北出身者の心情は推し量るしかありませんが、新幹線で気軽に往来できる現代よりも、昔の東北はもっともっと遠い存在だったはずです。それだけに、東北の玄関口である上野駅に故郷の訛りを聞きにゆくという心情もよく理解できるのです。


私が関東で暮らすようになった頃は既に夜行列車斜陽化の時代で、年を重ねるごとに次々と名のある列車が姿を消していきました。当時の私は学生であったり社会人駆け出しの頃だったので、割高な夜行列車を気軽に利用できるような金銭的余裕もありませんでしたから、そうそうたやすく乗れるものではない高嶺の花のような存在でした。


寝台特急の中でも、『あけぼの』は乗車した経験のある数少ない列車です。私が乗車経験のある寝台特急を順に述べると、帰省等で数え切れないくらい利用してきた『サンライズ出雲』、廃止直前に利用した『日本海』(A寝台・大阪⇒青森)、冬の北海道を旅したときに利用した『北斗星』(B個室・上野⇒札幌)、そして『あけぼの』(B個室・青森⇒上野)です。要するに『あけぼの』には過去に一度乗ったことがある訳ですが、それでも廃止前にどうしても乗っておかなければならない理由というのがあるのです。それは単純明快な理由で、「上野発青森行の夜行列車」というやつにどうしても乗りたかったのです。帰宅する通勤客で賑わう上野駅の中にあって、ただここだけ別格の空気が漂う上野駅13番線から東北の果て・青森へ向けて悠々と旅立つというのを一度やってみたかったのです。もちろん同じ寝台特急でも華やかさがあり札幌まで行ってしまう北斗星では駄目で、東北線経由で青森へ向かう寝台特急でも駄目なのです。上越国境を越えて雪深い南越後を静かに走り抜け長岡へ、そして日本海の荒波と風雪厳しい日本海縦貫線を北上し沿線の地方都市にこまめに停車しながら青森へ至るという経路こそが最もふさわしいのです。季節はもちろん冬が良い。東北行寝台特急の最後の末裔である『あけぼの』こそがそれを現実にしてくれる理想的な列車で、今回のチャンスを逃してしまえば二度とこのような風情を味わえる列車には乗ることができなくなります。


さて、そうと決まれば作戦決行!!乗車日の1ヶ月前午前10時より発売開始となるため、発売日にみどりの窓口に並び10時きっかりに端末を操作してもらう、いわゆる「10時打ち」、そして旅行代理店にも事前申し込みをして万全の準備を整えます。私が乗車券獲得競争に参戦し始めたのは1月の中旬頃からでした。つまり2月中旬以降の寝台券を10時打ちで狙うわけですが、廃止目前の状況ではなかなかすんなりとは取ることができません。この頃、すでに勤めていた会社を退職していたので日時はいつでも良かったのですが、それでも取れなかったのです。そんなある日、事前申し込みをしていた旅行代理店から『あけぼの』のB個室を取ることができたという連絡が入りました。その取れたきっぷの期日が驚くべきことに3月13日!!何と、廃止前日の列車です。連日敗北の日々が続いていたところで最後の大どんでん返しということで、これは奇跡としかいいようがありませんでした。



しかし・・・。


連絡が来てから一週間後、寝台券を受け取りに旅行代理店に行ったところ、前代未聞の大事件に巻き込まれることになるのです。


続きは次回の記事にて。
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| 14年3月/惜別 あけぼの | 18:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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奥秩父ツーリング その4 ~初秋の甲斐路

■ 2013.10.14(祝) 奥秩父ツーリング3日目 

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橋立川キャンプ場で、清らかな朝を迎える。橋立川河原での静寂に包まれた朝だ。そして、その静寂を切り裂くように秩父鉄道の始発列車が轟音を立てて鉄橋を渡っていく。奥秩父ツーリングも3日目を迎え本日最終日。




■秩父往還 栃本宿

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秩父往還は秩父大宮と甲斐国を結ぶ古道の名だ。現在では国道140号線がそれを引き継いでおり、甲州街道の裏街道的な役割を果たしている。秩父往還の埼玉側の最奥部、旧大滝村の栃本集落を訪ねてみることにした。

秩父往還は中山道の間道となっていて、江戸幕府は栃本集落に関所を置いて往来する人物を取り締まったそうだ。栃本集落はV字渓谷の急峻な斜面にへばりつくように在る集落で、よくもまあこんな場所に家を建てたもんだと感心させられるほど大変険しい山あいにある。だからこそ栃本は関所を置くには好適地だったのだろう。

現在の国道140号線から少し外れた旧道途上にあるため、道幅は非常に狭く交通量は皆無で、かつての関所跡だけがひっそりと残されている。残念ながら関所内部は立ち入り禁止で入ることはできなかったが、関所前に広がる秩父山地と栃本集落の風景は実に秀逸なものである。朝から畑仕事にいそしむ村人たちの話し声や鍬を入れる鋭い音が響きわたり、木々を揺らす風の音と小鳥の鳴き声だけが集落にこだまする。雄大で長閑な日本の山村の風景がそこには広がっていた。





■ 雁坂トンネル

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国道140号線で秩父と山梨を車で自由に往来できるようになったのは、つい最近のことだ。雁坂峠が開通したのは1998年のこと。そして大型車の離合が困難な旧大滝村の秩父往還に替わり、バイパス的役割として国道140号 大滝道路が整備されたのがその半年後。大型車を含め自動車全般が秩父~山梨間を往来できるようになったのは、わずか15年ほど前のことなのだ。

開通前はいったん東京を経由しなければ往来できなかったものがこうしてトンネル一本でつながった訳で、かなりの距離と時間の短縮に貢献しているのは確かで、地元にとっては長年の悲願であったに違いない。620億円以上をかけてまで整備されたのも頷ける。それだけに、一般国道日本最長の6,625mの長さを誇る雁坂トンネルの通行料も割高で、普通車でも710円を徴収される(※原付は70円)。


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トンネル内は片側一車線で全区間追い越し不可、中央分離帯にはポールが立っているので自動車の流れにのれない50ccバイクなどでは、追い抜けない車が後続に連なる可能性があり非常に厳しい。私が乗務しているのは110ccなので問題ないのだが、私は事故やパンク防止の意味もあって基本的には道路の真ん中を走る(厳密に言うと四輪車の左輪の轍に沿って走る)ことを忠実に遵守していて、60km/h巡航の状況下ではたとえ後ろに車が来たとしても道を譲らないようにしている。変に路肩に寄って中途半端な意思表示をしては本意が相手に伝わらず、事故のもとになるからだ。だから後続に車が繋がってきたときは広い路肩や駐車帯に反れて車列をやりすごすか、対向車の来ないタイミングを見て左ウインカーを出し、右手で追い越してくれと合図を出すようにしている。私は基本的に後ろについてこられるのが嫌いで、後ろを気にせずのんびり走るのが好きなのだ。ところがこの雁坂トンネルというやつは中央にポールが立っているために追い越しが不可能で、後ろにつかれるとどうしようもなくなる。なので、トンネル突入直前に幸いにも広い路肩があったので写真撮影もかねて一旦停車し、車の来ない間合いを見計らってトンネルに突入した。ちなみにこの雁坂トンネル、原付(125cc以下)だと通行料金は70円だが、それ以上の二輪車だと一気に580円まで跳ね上がる。このあたりも原付車両の特権といったところか。






■ 甲斐の秘湯 甲斐の道

秩父からすんなり自宅へ向かえばいいものを、わざわざ逆方向の山梨へ向かうというのだから酔狂の極みである。そもそもこの旅の主題は2日目の「日窒鉱山集落」の探訪にあり、それ以外のルートはほとんど決めずに活動したのだが、秩父市街地を通り過ぎて大滝に宿泊したと思えば2日目は再び秩父市街地に戻りキャンプ、初日に通った秩父往還を再び通って何をするのかと思えばまさかの越境で最終日にして甲斐の国入り。それも、秩父から真っ直ぐに帰路についたのではつまらないからという単純明快な理由によるものだ。




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昨日はキャンプ場の近隣に温泉がなく、市街地の温泉もどこも割高で入る気がしなかったので今日はとにかく風呂に入りたかった。向かった先は塩山市の裂石温泉 雲峰荘。市街地からはだいぶ離れた丹波山方面へ向かう国道411号線沿いに位置している。『日本秘湯を守る会』の会員でもある本宿の売りは、一枚岩の大屋根が特徴の露天風呂だ。まず旅館受付で日帰り入浴500円を支払って受付を済ます。露天風呂のほかに内風呂もあるが、どちらかひとつしか利用できず、事前申告してから料金を支払う。まぁ旅館の売りが露天風呂なのだから、大概の日帰り入浴客は露天風呂を選択するのだろう。甲斐の国の言葉が書かれた札をひとつひとつ眺めながら、本館から少し離れた場所にある露天風呂へと向かう。脱衣所は男女別だが露天風呂は混浴。先客がいたため画像はないが、巨大な一枚岩の大屋根は今にも落ちてくるんじゃないかと危機感を抱くくらい迫力がある素晴らしいものだった。露天風呂も渓流沿いにあり、赤く染まり始めた山なみを愛でながら湯に浸かることができる。ただ、温泉自体はこれといった特徴のない無色透明の若干ぬるめの温泉であまりぱっとしなかった。


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身体もさっぱりしたところで気持ちも新たにバイクにまたがり、上日川峠を走破して旅を締めくくることにした。県道201号と218号を繋ぎ1500m級の険しい峠道を越え、甲州市大和へ抜けるルートだ。上日川峠は、1900m級の大菩薩峠へのアクセス道にもなっていて、サイクリングやハイキング・登山客も目立つ。車通りも少なく、雰囲気の良い静かな峠だから人気なのだろう。上日川峠の頂上部分が大菩薩峠の登山道入り口になっていて、「ロッジ長兵衛」という宿泊施設もあり登山客の出発拠点となっているようだ。ロッジに隣接したキャンプ場もあり、1泊300円で利用できる。これから片づけをして八王子まで帰るというごっついアメリカン乗りの旅人と言葉を交わしたのだが、安く利用できて雰囲気は抜群だが、昨晩の寒さは半端なかったそうだ。

そんな訳で甲斐大和から国道20号線に乗り、ひたすら東進して帰宅となりました。

| 13年10月/奥秩父 | 21:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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橋立川キャンプ場 [埼玉・秩父]

埼玉県秩父市にあります橋立川キャンプ場の紹介です。



奥秩父ツーリング2日目の宿泊地として利用しました。


秩父市中心部から国道140号を大滝方面へ10分ほど走った橋立川の渓谷にあるキャンプ場です。実はツーリング一日目に大滝に向かう際にこのキャンプ場を視察しに来ました。その時にはまだどのキャンプ場にしようか決めていなかったのですが、静かな河原サイトという環境と利用料が決め手となってここにしました。龍勢祭りを見学した後に再び秩父市街地に入り、食料を調達してからキャンプ地へ向かいます。



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国道を反れて2~3分ほど走ったところに物件があります。橋立川の河原がサイトになっていて、道路脇に車両を置いて河原へ降りていくかたちになります。サイトへの車・バイクの乗り入れは不可で、駐車場から河原までそれほど離れてはいませんが勾配のきつい坂道であるため、荷物の持ち運びには難儀します。



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坂道を下っていったところにある管理棟で利用料金を支払います。入場料:200円+テント1張1,000円=1,200円ということで、秩父界隈にしては比較的良心的な価格設定です。



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橋立川の河原がフリーサイトになっていて、好きな場所に自由にテントを設営することができます。管理人さんは夜間不在となりますが、すぐ近くに住んでいらして緊急時には対応してくれるそうです。またトイレ・炊事場などの設備面は一通りそろっていて、なおかつ清掃管理が行き届いていて気持ちよく利用することができます。この日は3連休の中日でしたが、ファミキャンが一組いただけで、ほとんど貸切状態でした。10月中旬の利用でしたので朝晩ともなるとかなり寒く、ぼちぼちシーズンオフといったところでしょうか。



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ここのキャンプ場の特筆すべき点として、まず湧き水があげられます。秩父は湧き水が豊富な土地ですが、キャンプ場からすぐの場所に不動名水という採水地があります。

そしてもうひとつは、電車の行き交う風景を眺めることが出来ることです。サイトの真上に秩父鉄道の鉄橋が架かっています。特に夜、暗闇と静寂を切り裂きながら煌々と明かりを照らして走る電車は『銀河鉄道の夜』を髣髴とさせ、満天の星空の下をガタンガタンと音を立てて電車が鉄橋を渡る風景は大変絵になります。


秩父地方のキャンプ場はどこもかしこもオートキャンプ仕様になっていて、その多くが結構なぼったくり物件です。まぁそれでも大金をはたいてまで自然の中でキャンプがしたいという人がいるのだから仕方がありませんが・・・。そんな中、バイクツーリングのライダーが手ごろな価格でキャンプができる物件も少なからず残されているのは大変ありがたいことです。


<2014.10.13宿泊>

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■橋立川キャンプ場
埼玉県 秩父 市 荒川久那3937
0494-24-1367
料金:1,200円(入場料200円+テント1張1,000円)

| 13年10月/奥秩父 | 02:29 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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奥秩父ツーリング その3 ~秩父の奇祭

全舗装の金山志賀坂林道から国道299号へ抜け、小鹿野まで戻ってきました。




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ちょうど昼時だったので小鹿野でわらじかつ丼でもと思って店を探すのですが、この日は雲ひとつない快晴で暖かく絶好のツーリング日和ということでどこの店先にもバイクが多数・・・。あちこち走り回って漸く見つけた空いてるっぽい物件は食事処『ようかみ』。ここでわらじかつ丼をいただきます。店内の壁には和洋中と何でもありの品書きがずらりと並び、町の食堂といった雰囲気。自宅が併設された家族経営の店で、空いたテーブルでは家の子どもたちが宿題をしていました。




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次に、旧吉田町の椋神社の例大祭でもある『龍勢祭り』の見学に行きます。前の年にも秩父にツーリングに来ているのですが、その時『龍勢会館』というすごい名前の道の駅を発見し、そこで見聞きした龍勢祭りとやらを一度見てみたいと思っていたのです。その道の駅にバイクを置いて会場まで歩くのですが、駐輪場は停める隙間もないくらいにぎっしりで駐車待ちの車列は町内まで伸び、シャトルバスでやってくる見物客も多数いました。町内外に広く知られた祭りのようです。





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簡潔に述べると、龍勢というのは椋神社に奉納するために農民がこしらえたロケットのことです。今では各地区の保存会や地元企業・大学等が龍勢を打ち上げ、その美しさや独自性を披露しています。ロケットは15分に一発くらいのペースで撃ち上がるのですが、その勢いと轟音は想像以上で、この会場にたどり着くはるか前の遠い位置からでも確認できるほどです。花火大会のように龍勢の名や製作者の名前がアナウンスされ、その後に長々と口上が述べられてから打ち上げという段取りでプログラムが進められていきます。打ち上げの間隔が随分長いのですが、お客は次の打ち上げをただただ空を見上げて待つという訳ではありません。会場では地区ごとに家族やグループが固まって座り、持ち込んだ惣菜や酒を飲み食いしながら親睦を深めつつワイワイ騒ぐのを楽しみます。どちらかというと飲み食いがメインで、そのついでにロケットを見るといった感じでした。

| 13年10月/奥秩父 | 22:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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