ニッポン風めぐり紀行

各種旅行記、バイクツーリング、乗りものレポ、老舗旅館や街道探訪など、『旅に生きる日々』を綴るブログです。

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今頃になって 『あの花』 に夢中

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『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』



2011年にフジテレビの深夜時間帯で初めて放映され、2013年には劇場版も公開されたかなり人気を博したアニメ作品です。世の中の流れからはだいぶ取り残されてしまいましたが、初放映から3年強も経過した今頃になって、私は今密かに『あの花』の世界にどっぷりと浸っています。



私はアニメやマンガというものにほとんど興味を示さない人間でして、見たことがあるのはせいぜいジブリ作品くらいです。この話をするとたいていの人に驚かれるのですが、おおかたの子どもがやるようなマンガの単行本集めやジャンプやらヤンマガやらサンデーなんかの読み漁りもまったく経験がありません。そんなアニメとは無縁の生活を送ってきた人間の心の中にさえ、『あの花』はいともたやすく入ってきて、今まさに私の心を惹きつけようとしてくれています。



きっかけはyoutubeでした。かつてのバンド、ZONEが歌う『secretbase ~君がくれたもの』の解散ライブを閲覧していたのですが、その歌詞に出てくる「10年後の8月」にあたる2011年にリメイクされた『secret base ~君がくれたもの 10years after ver.』の存在を知り、それがエンディング曲として使われたのが『あの花』だったのです。因みに歌っているのも『あの花』の声を担当している女性声優3人です。



あらすじを簡単に説明すると、小さい頃にいつも仲良く遊んでいた"超平和バスターズ"という男3・女3のグループがいて、そのうちの1人である本間芽衣子(めんま)の不慮の事故による死をきっかけとして、罪の意識や恋愛の傷を抱えた5人は次第に疎遠になっていきます。高校生になった頃、学校にも行かず自宅で引きこもり状態の生活を送っていたかつての仲間のリーダー格だった宿海仁太(じんたん)の元に幽霊となっためんまが現れ、「私のお願いを叶えて欲しい」と懇願してきます。めんまの姿や声はじんたんにしか分かりません。小さい頃、じんたんとめんまは互いを意識するような関係だったのですが気持ちを素直に伝えることが出来ず、ある日じんたんはめんまに対してひどく傷つく言葉を自分の気持ちに反して投げかけてしまい、その直後にめんまが亡くなってしまったのです。じんたんはその幻覚のような出来事をはじめは拒絶しつつも、次第にめんまと対話を重ねて、かつての自分の罪や今の自分と向き合うようになり、そのうち疎遠だった5人が集まり始めるようになります。そして、めんまの叶えたい願いとは一体何なのかというところに向かって話が進んでいきます。



それなら早くDVDでもレンタルして見れば良いじゃないかと言う話になるのですが、そう簡単にはいきません。まずDVDが搭載されたPCがいかれてしまっていて、DVD未搭載のUMPCが現在の主機であることに加え、未だに我が家の映像記録媒体の主流はVHSであるためにDVD再生機がないのです。さらに追い討ちをかけるように仕事の繁忙期に突入してしまったために帰りが遅くなり、DVDを見る時間はおろかネットで注文したDVDプレーヤーの宅配を受け取る時間すらないような状態でした。しかしこの"じらし"の時間が結構心地よいものでした。通勤途中は『secret base ~君がくれたもの』や劇場版主題歌の『サークルゲーム』をこれでもかと聞きまくって世界にのめり込み、ストーリー展開を空想したり過去の自分自身の思い出を蘇らせて懐かしさに浸ったりして、そこそこ良い時間を過ごさせてもらいました。


そして昨日の鎌倉初詣から帰った後、近くのツタヤでDVD6本(全11話)をまとめ借りし、とりあえず5話までを見ましたが、まさに「大人が泣けるアニメ」というか、まだ半分しか見ていないのに私の涙腺もかなりマズいことになっています。特に天真爛漫な性格でありながらも、泣かせるセリフや表情や仕草を乱発するめんまの存在がたまらなく切ない。


子どもの頃の淡く切ない思い出というのは、きっと誰にでもあると思うのです。恋愛や友人や自分の将来のこと。人を傷つけたり人から傷つけられたり、人を愛したり人から愛されたりして成長していくんです。大人になっても、子どもの頃の記憶というのは深く心の奥底に刻まれ記憶に残るものですから、多くの大人にとって共感と感情移入がしやすい点も魅力なのだと思います。私も自分自身の記憶を掘り起こし、作品で描かれている情景と重ね合わせながら作品を観ていますね。


この際残念なのは、もっと早くに『あの花』の存在を知っていれば良かったということです。もともとZONEが歌う『secret base ~君がくれたもの』は昔からよく聴いていた好きな曲だったし2011年に再結成されたというニュースも知っていました。さらに、『あの花』は私がツーリングなどで何度も訪れている秩父市が舞台になっています。確かに今思えば2011年や2012年に秩父を訪ねたとき、街中が何となくアニメの聖地だと騒がれていたような覚えがありますが、もともとアニメに興味がない人間ですからそれ以上深入りすることはありませんでした。『あの花』の存在をもっと早くに知る機会は多分にあったと思うのですが、本当に悔やまれますね。ただその一方で、世の中の熱狂が一段落したあとでこうして1人静かに『あの花』の世界に浸るのも悪くないなと思ったりしています。



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| 『あの花』&『ここさけ』 | 23:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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『あの花』に夢中 続編

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相変わらず、『あの花』に完全に脳内支配されている今日この頃です。通勤途中に『secret base』を聞き、郵便物を並べながらバイクを運転しながら『secret base』を口ずさみ、今後の展開がどうなっていくのか頭の中で想像してしまう・・・そんな一日を送っています。


6・7話まで見終わったのですが、これからいよいよ「めんまの本当のお願いとは何か」という物語の核心に迫っていくというところです。じんたんのところにめんまが現れたことで、疎遠だった5人が頻繁に集まるようになり、かつての記憶を掘り起こしながらめんまのお願いに迫っていきます。めんまは、お願いの内容も5人の前に現れた理由も語りません。おそらくめんま自身も何故この世に戻ってきたのか分かっていないのでしょう。みんなと話したいけど話せない、一緒にいたいけどいられない。表向きには無邪気に明るく振舞いながらも、自分の気持ちを届けることが出来ないめんまの寂しさや切なさには本当に心打たれるものがあります。

さて残すは4話ですが、まとめて急いで観るのではなく一話一話をじっくりと観てきたいと思います。今週は先日予告した『北斗星』の活動も控えているため、まとめ借りした一週間ではどうにも収まりそうにありません。早く続きが観たいけど切なすぎて観たくないみたいな複雑な思いも自分自身にあるのかもしれません。

まったく、完全に『あの花』中毒ですね。


| 『あの花』&『ここさけ』 | 21:31 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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号泣週間

昨年逝去した俳優 高倉健さんの追悼上映として催された『鉄道員(ぽっぽや)』を観てきました。



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場所は銀座の丸の内TOEI。私は映画を好んでみるほうではなく、映画館に行って映画を観るというのもこれまで数えるほどしかありませんでした。微かな記憶を掘り起こしてみると、前回映画館に行ったのは2007年のことで、この時は『檸檬のころ』という作品を観ました。そんな私をも突き動かすこの『鉄道員』ですが、私が高校三年生の頃の1999年に公開された作品です。



------- あらすじ ------------

空知(もしくは十勝)地方を走る幌舞線とその終着駅・幌舞の駅長である佐藤乙松(高倉健)。幌舞線の廃線が決まり、自身の定年退職を目前に控え、佐藤は長きに渡り幌舞の停車場に立ち、列車を迎え送り出してきました。生まれたばかりの一人娘が熱を出して亡くなった日も、最愛の妻を亡くした日も、佐藤はいつもと変わらず停車場に立ち、直向に実直に鉄道と向き合ってきました。そんな佐藤のもとにひとりの女の子がやってきます。近くの寺社の孫娘だと思い込んでいた佐藤ですが、実はその子は小さいときに亡くなった一人娘の雪子(広末涼子)の姿だったのです。家族を省みずに仕事と向き合ってきた乙松の思いと、地元の高校の制服を着て成長した姿で乙松の前に現れた雪子の思いが通じ合う優しく温かい時間が流れていきます。それから間もなく、乙松はラッセル者の到着を待っていたホームで倒れ、幌舞線の廃止を待たずに亡くなってしまいます。




『鉄道員』の魅力は何かというと、やはり男の生き方の理想が凝縮されている点でしょうか。誇りに思える仕事と愛する妻子を持ち、家族への愛情を心の奥深くに秘めながらもそれを表には出さず、ただ黙々と仕事を全うしていく姿は、多くの男性が憧れるところでしょう。1999年の公開当初は私は高校生ですから、どちらかというと当時人気アイドルだった広末涼子の出演作という理由で観たと思うのですが、歳を重ねるごとに繰り返し見ていくうちに視点が変わっていったように思います。



予想通りというか何というか、上映中は完全に涙腺が崩壊。。。我ながら涙もろいなと思います。このところ本ブログを賑わせている『あの花』も残すところ2話となり、今週中には視聴完結する予定です。『鉄道員』では雪子。『あの花』ではめんま。小さい頃に亡くなったはずの子が、この世に姿を現すことから話が進んでいくという意味では、両作品はよく似ていますね。どうやら涙腺決壊必至の号泣週間となりそうです。

| 『あの花』&『ここさけ』 | 19:11 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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またまた号泣

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例によって、『あの花』です。

ついに、最終話までを見届けました。





最後の最後まで心の傷や罪を抱えていていた5人が気持ちを本音でぶつけ合い、めんまの本当のお願いも分かり、立てないほどに身体が弱くなり透けて消えかけているめんまは最後の力を振り絞って5人に向けた手紙で言葉を交わし、最後の最後には5人にもめんまの姿が見えたところでめんまは成仏し、天に旅立っていきます。


私はというと、相も変わらず号泣してしまい、もうどうしようもありません。大人げないとは分かっていながら、いちいち感動してしまうこの心情は一体何なのでしょうかね。生涯の中でほとんど興味を持ってこなかったアニメ作品でこれほどまでに心揺さぶられるとは全くもって想定外でした。時代の流れからはかなり遅れてしまいましたが、こうして素晴らしい作品に出会えてよかったと心底思いますね。





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しかし、これで終わりではありません。

2013年に公開された『劇場版 あの花』が私を待っています。

| 『あの花』&『ここさけ』 | 19:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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『あの花』の魅力とは① ~実はドロドロの愛憎劇

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2013年公開の『劇場版 あの花』に加え、2011年9月に催された『ANOHANA FES.』の映像まで見て、これにて『あの花』関連の映像はすべて視聴しました。劇場版はあの夏から1年後を描くもので、近況報告がてらめんまに手紙を書いてお炊き上げをするという話です。内容は本編の振り返り的要素が強いのですが、本編ではじんたん視点で話が進んでいくことがほとんどだったのに対し、じんたん以外の4人やめんまの視点が強く意識されているように思います。一度見通した人でも新たな発見がある内容になっています。『ANOHANA FES.』は作品の舞台でもある秩父の野外ステージで催されたファンイベントで、新たに書き下ろされたピクチャードラマ「めんまへの手紙」や「secret base ~君がくれたもの」の生歌披露など、こちらもなかなかの感動作品でした。





ひと段落ついたので、まとめがてら『あの花』の魅力とは何なのかを語ってみたいと思います。




結局、めんまの叶えたかった願いというのは、病床のじんたんの母親と約束した「じんたんを泣かす」というものでした。病気で倒れた母親の前では変に気を張るじんたんですが、「もっと甘えて欲しかったな、もっと泣いて欲しかったな」と回顧する母親の言葉を聞いて、めんまはじんたんを泣かせてみせると約束するのです。泣かす作戦をたてるためにじんたん抜きの5人で集まろうと呼びかけためんまでしたが、うまい具合に進まずに何故かじんたんも来てしまい、皆のいる前であなるがじんたんに対し「めんまのこと、好きなんでしょ?」と問いかけます。じんたんは本意に反して「誰がこんなブスと・・・」といってその場から逃げ去るのですが、めんまは後を追いかけ、その途中で沢に落ちて不慮の死を遂げてしまうのです。実はめんまに好意を持つゆきあつと、じんたんに好意を持つあなるが共謀して嗾けたこと、ゆきあつが気になりあなるに嫉妬しているつるこは2人の共謀を見抜き、めんまに告げ口していること、じんたんを追いかけていっためんまをゆきあつが追いかけ、そこで突然の告白をすること、逝ってしまうめんまを目撃していながら怖くて助けることが出来なかったぽっぽ。彼らの恋愛を巡る関係や罪の意識はすべてこの場面に凝縮されていて、仲良しだった5人は次第に疎遠になっていくのです。



ただ、めんまの本当の願いというのはもっと別のところにありました。めんまは日本人の父親とロシア人の母親との間に生まれた銀髪藍眼の所謂クォーターで、クラスではいつもひとりぼっちで「のけもの」にされていました。そのときに声をかけて仲間に入れてくれたのがじんたんだったのです。いつも一人で寂しくしていためんまですから、仲間に入れてもらえてみんなと仲良く遊ぶということが本当に嬉しかったんでしょう。でも自分が死んでしまったことで残された5人はバラバラになってしまいます。みんなと一緒に仲良く生きたいけど生きれなかった、みんなに自分のこと忘れて欲しくないけど自分がいるとみんなが喧嘩してしまう、めんまの母親はめんまを失った悲しみで時が止まり家族関係は冷め切ったまま、じんたんの母親との約束も叶えられなかった・・・。そんな気持ちの狭間で揺れてこの世に未練が残り、めんまはきっと成仏できなかったのでしょう。



実際のところ、めんまの願いというのは第8話で叶っています。願いが叶うとめんまが消えていってしまうことを思い、じんたんはめんまの前で泣いてしまう(本人はフランダースの犬を思い出して泣いていると嘘つく)のですが、その姿を見てめんまは病床のじんたんの母親とした約束を漸く思い出します。この時点でめんまは願いが叶ったと気づいたんですね。でも当の5人はじんたん母の病気が治るように龍勢花火を打ち上げて神様にお願いするというのがめんまの願いだと思っていて、花火製作に必要なお金を得るためにバイトをしたりしていますから、めんまも打ち明けることができなかったのでしょう。案の定、龍勢花火を打ち上げてもめんまは成仏せず、最終話では何故めんまは成仏しなかったのかというところからそれぞれが心に負った傷を吐き出し互いの気持ちをぶつけ合うという大懺悔大会へと発展し、めんまの本当の気持ちに気づいた5人は漸く結束し、めんまとちゃんとお別れをしようという決意を固めます。一応の願いがかなってしまっためんまは立てないほどに身体が弱まり、じんたんは透けて消えかけているめんまを背負ってお別れをするために秘密基地まで連れて行くわけですが、とうとうじんたんの眼にもめんまは見えなくなってしまいます(声はかろうじて聞こえる)。見えないのではなくてかくれんぼをしているのだと気を使うめんまの声を聞いて皆は秘密基地を飛び出してめんまを捜索。めんまは最後の力を振り絞って5人に宛てた手紙を記し、「超平和バスターズはずっとなかよし」という言葉を秘密基地に刻みます。めんまの書いた手紙が5人に渡り、いよいよお別れのときを迎えます。かくれんぼは見つけなければ終われないということで最後は5人の眼にもめんまが見えるようになり、見つかってしまっためんまは成仏し、天へ旅立っていきます。



結局のところ、『あの花』の物語は恋愛や友情をめぐる嫉妬やねたみや葛藤が渦巻くドロドロとした人間関係をもとに展開されていきます。久川(ぽっぽ)だけは恋愛関係には介入せずに一人蚊帳の外な訳ですが、沢に落ちためんまが逝ってしまう場面に遭遇しながら怖くて助けることが出来なかったという実は最も重い十字架を背負っていたりします。人を妬ましく思ったり羨ましく思ったり、過去に負った心の傷や後悔に苦しむというのは人間誰しもが持つごくごく自然な感情であって、人間の心理の本質という意味では的を得ていると思うのです。いかにも人間的などろどろとした負の感情がキャラクターの表情や心理描写も実に丁寧に描かれていて、大人が共感しやすいというのも頷けます。逆にその中だからこそ、めんまの純粋さが際立つともいえます。身体だけは何故か成長していますが、言動は幼いまま。成長していく5人に対して、めんまだけは時が止まり子どもの頃の記憶のまま取り残されてしまうのです。めんまの純粋な思いと高校生になった5人が抱く人間味のある負の感情が重なり合うさまは、言葉では言い表せないほどに切ないのです。



これ程までに心惹きつけられるとは、自分でも本当に不思議です。『あの花』の魅力とは一体何なのかと考えてみるのですが、なかなかうまい説明が出来ません。ただひとつ言えるのは、現実世界を生きる5人の姿と、虚像として現れためんまの姿が、人間の心の中の本質を映しているのではないかという思いです。私たちは出会いと別れを繰り返し、大切なものを得たり失ったりしながら人生を歩んでいます。過去を積み重ねながら、未来に向かって、現在という時を生きている。常に前を向いて人生を歩まなければならないのが我々の宿命ではありますが、ふと立ち止まって後ろを振り返り遺してきた人生の足跡を見つめたとき、後戻りして追いかけたくなるもの、いとおしいほどに取り戻したいものの多さに気づかされます。過ぎ去ってしまった時間、大切な人との幸せな日々、叶わなかった恋、伝えられなかった言葉。しかしそれらを取り戻すことは残念ながらできません。あの時ああしとけば良かったと悔やむことばかりです。作品でいえば、幼少期のあの日の出来事で心に傷を負ってしまった現実世界の5人はそれでもその先の人生というのがあり、それぞれが背負った過去と向き合い、悩み苦しみながらも乗り越えようとし、絆を深めて前に向かって歩んでいく訳ですが、死んでしまっためんまだけは時が止まったままで、この世に戻ってくることは二度とありません。5人の絆は深まっても、昔のような仲良し6人組は永遠に取り戻すことが出来ないのです。表面的見れば恋愛をめぐるドロドロとした愛憎劇、そして友人の死と向き合う若者の心の葛藤や後悔を描く非常に重たいテーマなのですが、人間誰しもが持ちあわせる感情を写実的に表し、決して戻ることが出来ない過去があるという現実をそっと投げかけているのが『あの花』という作品である考えるのです。

| 『あの花』&『ここさけ』 | 21:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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