ニッポン風めぐり紀行

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夏の信州 日帰り列車旅

8月も終盤。今年の夏の最後の旅に出たいと思い、信州方面をメインとした日帰り列車旅を計画しました。なかなか連休が取れない中で、なおかつ青春18きっぷを有効的に使いたいということで、信州方面へ向かう『快速 ムーンライト信州』で白馬へ向かい、大糸線・信越線・しなの鉄道・小海線・中央線を利用して信州をグルっと一周し、日帰りで東京に戻ってくるという旅程としました。

2010年8月28日


仕事を終えて一旦帰宅してから旅立ちの準備。まずは東京メトロとJRを乗り継いで、『快速 ムーンライト信州』の始発駅である新宿へと向かう。

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【帰宅ラッシュのメガ・ステーション @新宿駅】


新宿駅は利用客数が日本一多いというメガ・ステーション。土曜日の夜ということもあり、山手線・中央線・総武線などの首都圏近郊路線が発着するホームは軒並み混雑している。その中で中央線特急ホームの10番線だけは雰囲気が異なる。大きな荷物を抱えた旅行客や登山客が、旅立ちのときを待っている。


新 宿 (23:54) ⇒ <快速 ムーンライト信州81号> ⇒ 白 馬 (5:40)

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【発車を待つ『ムーンライト信州』 @新宿駅】

この列車は中央線の大月・甲府・小淵沢・岡谷・松本といった甲州&信州の各都市を経由し、大糸線の白馬まで乗り入れる夜行快速列車である。長期休暇等の多客期を中心に運転される臨時列車で、翌朝早朝から活動できるため登山・ハイキング・サイクリング客の利用が多いのが特徴である。一方で松本から中央西線で名古屋方面へ向かう場合や白馬から北陸本線・信越本線方面に向かうには長時間の接続待ちがあり、長距離移動の手段として利用するにはいささか不便な列車である。

多くの人で混雑する新宿駅を定刻どおりに発車。2号車・5番・CD席が本日の寝床となる。

ざっと見渡したところ、各車両とも5~6割程度が埋まっている。新宿を出発した電車は、超過密ダイヤの中央線をノロノロと進む。前方に電車がつかえているためか、なかなかスピードが上がらず、結局5分ほど遅れて立川に到着する。立川や八王子でもかなりの乗車があり、車内は7~8割が埋まりだした。

高尾を過ぎると車窓が一気に変化する。高尾駅を境に、東京近郊の市街地・住宅街が続く都市の風景がパタッと途切れ、、一気に険しい山間部へと入っていき、周囲は暗闇に包まれる。この急激な変化を目の当たりにすると、我々の普段の生活環境が異常なまでに明るいということを実感できる。

列車は山梨県に入り、大月・甲府・小淵沢と停車していく。深夜の時間帯ではあるが、それでも各駅で数人の乗降がある。車内は減光されず、比較的多くの停車駅があるためになかなか寝付くことが出来ない。おまけに同じ車内では中学生と思われる4人組の集団が深夜の鉄道談義に花を咲かせていて、眠りたい私としてはたまったもんじゃない・・・。

長野県へ入ると、富士見・茅野・上諏訪・下諏訪・岡谷・塩尻と小刻みに停車していき、4:32に松本に到着する。塩尻で中央本線に別れを告げ、松本まで篠ノ井線を走ってきたムーンライト号は、松本から白馬までは大糸線を走る。沿線地域は「安曇野」と呼ばれ、北アルプス連邦の美しい景観が広がり、豊かな水を育む地域である。白馬到着までの1時間でようやく眠りにつくことが出来、列車は5:40の定刻どおりに白馬駅に到着した。


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【朝霧に包まれる安曇野の終着駅 @白馬駅】

連日の猛暑&寝苦しい熱帯夜が続いた今年の夏だが、白馬の朝は驚くほど涼しかった。ここで次の南小谷行きの列車まで1時間ほどの待たなければならない。白馬駅前を散策してみると、早朝にも関わらずムーンライト号の乗客を狙って客待ちのタクシーが列をつくっている。登山の案内所やおにぎり・弁当を売る売店等も早朝から営業している。白馬まで来た乗客のうち3割くらいは登山やサイクリング客で、駅前では輪行してきた自転車を組み立てる光景が見られた。私を含め残りの客は南小谷・糸魚川方面へと向かう乗継客のようだ。次の列車まで時間があるために、駅構内は多くの人で賑わっている。あの中学生4人組もその中に含まれている。

白 馬 (6:56) ⇒ 南小谷 (7:15 / 7:51) ⇒ 糸魚川 (8:46)

1時間近く待ってようやく南小谷行きの列車に乗り込むが、わずか20分ほどの乗車で南小谷駅に到着・・・。そしてまたしても40分ほどの待ち時間が生じる。この接続の悪さが要因で、ムーンライト信州は長距離にわたって移動する青春18きっぷユーザーにはあまり向かないのだ。

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【険しさが増す南小谷以北の大糸線沿線】

南小谷以北はJR西日本となり、スキーや登山客などレジャー色の濃い安曇野エリアとは大きく車窓が変わる。路線のほとんどで姫川沿いを走り、国道148号線と並走する。長閑で緩やかな景観が安曇野だとすれば、姫川の周辺は標高の高い山々が連なっているために非常に険しく急峻であり、雪解け水や土砂が大量に流れ込む。このような地形によって姫川はときに「暴れ川」となり、並走する国道や大糸線はしばしば不通となるらしい。さらに人口も極めて希薄になり、終点の糸魚川までに乗車したのは2名(いずれも観光客)、降りた客は0人だった。

糸魚川 (8:58) ⇒ 直江津 (9:37 / 10:13)
                                                ⇒ <妙高 3号> ⇒ 長 野 (11:52)


糸魚川からは北陸本線で直江津へ向かう。

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【20011年3月の引退へラストスパートの「食パン電車」@直江津駅】

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【寝台列車の面影を残す車内】


乗車したのは通称「食パン電車」と呼ばれる車両で、かつての寝台列車を強引に普通列車に改造した車両である。そのような経歴のために普通列車には不向きな点も多い。乗降口が狭くて乗り降りが不便で時間がかかるうえ、車内は窓が小さいために採光性が低く、昼間でも車内はどんより暗い。おまけに車両自体の老朽化も進んでいることから、「食パン電車」は2011年3月までに引退予定となっている。


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【出発を待つ長野行の普通列車『妙高』 @直江津駅】

直江津からは再びJR東日本となり、信越本線の普通列車「妙高3号」長野行きに乗車する。比較的時間があるので「NEW DAYS」で弁当を購入し、すでに入線している列車内で食べることにした。特急用車両&ガラガラの車内ということで最初は非常に快適だったが、高田や新井で大量乗車がありほぼ満席となる。妙高高原・野尻湖・黒姫といったスキーリゾート地を通り、列車は長野駅に到着する。


長 野 (12:10) ⇒ 小 諸 (13:13 / 13:38) ⇒ 小淵沢 (15:56)


篠ノ井からしなの鉄道直通となる普通列車・小諸行きに乗車。さすがにこのあたりになると疲れが出てきてウトウト。途中から乗ってきたおばさん2人組とBOX席で向かい合うことになるのだが、ぺちゃくちゃしゃべりながら弁当を広げて食べ始める。非常に迷惑なので上田駅で隣のBOX席が空いた瞬間、ソッコーで移動する。

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【活気の失われた小諸駅構内 小淵沢行の列車に乗り換え】


小諸駅は「悲劇の駅」として知られる。長野県東部における信越本線の主要駅としての役割を担ってきたが、フル規格で整備される北陸新幹線(長野新幹線)の新駅が南側の佐久市に設定されることとなり、小諸駅は三セク化された「しなの鉄道」の中間駅&ローカルなJR小海線の終着駅という位置づけとなってしまったのだ。

駅周辺だけを眺めても、活気の違いは歴然である。「東京直通」という悲願が夢と消え、人の往来が激減した小諸駅周辺はとてつもなく廃れているように見える。かつては主要駅だったため小諸駅構内はとても広いのだが、その広さが逆に小諸駅の寂しさを増大させる。一方、小海線に乗り換えて数駅という位置に、新幹線停車駅の「佐久平駅」がある。こちらは駅周辺に大型ショッピングモールを中心として様々な店舗が軒を連ね、活気溢れる人の集まる場であるということが車窓から眺めるだけでもよく分かる。小諸と佐久のケースは、新幹線の新駅ひとつで、街の活気や人の流動が大きく左右されるという典型的な事例である。

小淵沢行きの列車は、その手前で清里・野辺山といった高原リゾート周辺を通る。それまでは全員着席できるレベルの乗車率だったが、この2駅でものすごい数の乗車があり、2両編成の列車は一気に通勤電車並みに混雑する。満員の乗客を乗せた列車は、八ヶ岳の山並みを横目に見ながら小淵沢駅へと滑り込んだ。


小淵沢 (16:17) ⇒ <ホリデー快速 ビューやまなし>
                                                ⇒ 三 鷹 (18:40) ⇒ 中 野 ⇒ 南行徳

小淵沢駅の東京方面へ向かうホームは、互いにすれ違うことも出来ないほど猛烈に混みあっている。そういえば、この日は夏休み最後の日曜日。涼を求めてやってきた首都圏近郊の家族連れや行楽客が帰途へつく時間帯なのだ。これから私が乗ろうとしているホリデー快速のほか、横浜へ向かう特急「はまかいじ」や新宿へ向かう特急「あずさ」が立て続けに発車する時間帯であるため、ホームは身動きがとれないほどに大混雑しているのだ。

『ホリデー快速 ビューやまなし』新宿行きはオール2階建て車両のBOXシートで、普通列車よりも停車駅が少なく、なおかつ特急料金不要&青春18きっぷ利用可能ということで利用客が多く、自由席に乗るつもりだった私も予定を変更して指定席を購入した。

同じBOXの向かいには50歳代くらいの女性が座られていた。聞けば、小淵沢に暮らす年老いた両親の看病と農作業の手伝いをし、その帰りということだった。手元には新鮮な野菜が詰まった袋が置かれていた。旅のことや人生のことなどいろいろと話がふくらみ、いつの間にか列車は東京近郊の都市の風景の中を走っていた。

三鷹で下車した後、東京メトロ東西線直通の電車に乗り換えて、無事に自宅に帰宅となった。

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| 10年8月/信州列車旅 | 23:32 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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