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ニッポン風めぐり紀行

各種旅行記、バイクツーリング、乗りものレポ、老舗旅館や街道探訪など、『旅に生きる日々』を綴るブログです。

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呑処巡礼 五十五番 ~高知 食事処 あおき

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鮮度落ちになりますが、毎年恒例の秋の高知訪問の際に訪ねた居酒屋の紹介です。全四日間の行程のなか、二晩目の夜の部は店探しに難儀しました。三連休の二日目の土曜という予約必至な状況の中、目当てにしていた「座くろ」と「どんこ」に連絡を入れるも何れも満席で振られました。途方に暮れていたところで立ち寄った本屋に高知市内の居酒屋を紹介する本があり、この中から「地元常連に愛される老舗居酒屋」として紹介されていたのが表題の店です。16頃時に連絡を入れると17時半からなら案内できるとの回答があり、一度ホテルに戻って身支度を整え、満を持して暖簾をくぐりました。場所ははりまや橋の飲み屋街からやや離れた高知駅近くの一角にあります。



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入店すると先客の男性独酌客が小上がりで飲んでいました。他にも空席はありましたが予約が入っているようで店主からは「相席でもよいか」と頼まれ、歳が近そうだったこともあり快く応じました。遙々長野県から自走で来たという私よりも一回り年下のガッツ溢れる若者で、しまなみ海道から四国入りして四国カルストや土佐清水や四万十市を訪ねて高知に入り、明日は讃岐うどんを食べて明石海峡大橋経由で伊那地方の自宅まで帰るのだそうです。今晩は高知市内に滞在するそうですがホテルには泊まらず、有料駐車場に停めた車の中で一晩明かすとのこと。さらに話を進めていくとで就いている仕事が私と似通っていて、仕事や休暇の話で意気投合しました。さらに信州大学出身ということでカレーの名店「メーヤウ」の話などでも盛り上がり、時間がたつのも忘れてしまうくらいでした。

やや話に没頭しすぎてしまった感があり、店の雰囲気や酒肴を楽しむことに注力する時間が少なくなってしまったのが悔やまれます。店内はやや雑多で整然としていない印象ですが名前入りのキープボトルが多数置かれており、地元民が足繁く通い溜り集う店であることは明白でした。品書の中心はやはり鮮魚で、中でも刺身の盛合せには鰹の刺身とタタキや土佐清水の鯖、仁淀川の水で育った鰻を使った「うな丸タタキ」は絶品でした。夫婦で営まれていることもあって温かい雰囲気に包まれており、我々のような一人客も気持ちよく迎えて下さり、程よい距離感で接客して下さるのが好印象でした。再訪必至の名店といえます。


<2018.11.24>

・ダバダ火振
・馬路ゆずサワー
・お通し三品(みつば胡麻和え、りゅうきゅう、田舎こんにゃくと鳥肝の煮物)
・刺身盛り合わせ(鰹刺身、鰹タタキ、清水鯖、シマアジ、鯛)
・うな丸タタキ

食事処 あおき
高知県高知市北本町1-1-1 山崎ビル 1F
17:00~23:00
日曜不定休
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| 四国スタンプラリー | 21:33 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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呑処巡礼 五十四番 ~京都・先斗町 ここら屋はなれ

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京都鴨川畔の先斗町といえば細路地が織り成す風情ある歓楽街であると同時にかつての花街です。京都の各花街には独自の紋章があり、立ち並ぶ店の軒先には先斗町の紋章である「鴨川ちどり」をあしらった赤提灯が連なっています。そして先斗町の北の端には先斗町歌舞練場があり、ここで暫く観察をしていると歌舞の練習を終えた舞妓さんが練習場を後にして置屋に帰るという光景が見られました。京都らしさを感じる印象的な場面の一つですが、一方で先斗町に軒を連ねる飲食店は和食や料亭ばかりではありません。最近では欧米からの観光客を狙った肉料理の店も増えてきているようで風情ある先斗町の街並みの様相も昔とは変わってきているそうです。そんな先斗町で、平成最後の夜を締めくくる居酒屋として選んだのが表題の店です。前日の晩にも此処を訪ねたのですが混み合う店内の様子を見て入店を躊躇し、少し離れた場所から電話をかけて明日の予約をお願いしたうえで改めて出直してきたという経緯があったのです。軒先の青紅葉や清潔感のある白い暖簾や竹細工の中の橙色の灯りが彩る美しい外観、そして木組みの格子窓からは店内の暖かみのある明かりが外に漏れ、若くて切れのよさそうな料理人と割烹着姿の女将がてきぱきと動いている様子が分かり、中に入らずとも雰囲気のよさそうな居酒屋であることは明白であり、それがこの店に入店する決め手にもなりました。ギラついた安っぽい居酒屋や肉料理屋が幅を利かすようになった先斗町界隈にあって、このような純和風の料理屋は案外新鮮に映るのが不思議です。



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口開け早々の早い時間帯に予約して一番客として入店しました。品書はおばんざい・京風味・肴・揚げ物・甘味に分類され和食中心に三十種ほど。店を切り盛りするのは私と同い年くらいの若い夫婦。しばらくの間彼らの働きぶりを観察していましたが、おそらく長いこと飲食業界で経験と修練を積まれてきたのでしょうか、何とも言えない信頼度と安心感が店内に漂っているのです。まずは女将のお勧めに従い、伏見の特別純米酒「花洛」とともにおばんざいを発注。京茄子・万願寺唐辛子・九条葱といった京野菜を用いたおばんざいが五種並びます。京都の味覚を味わうにはおばんざいは御誂え向きですが、一方であっさりしすぎる料理の連続は私にはもの足らず、後半は揚げ穴子の九条葱あんかけや桜海老のかきあげといった油系の料理に切り替えました。その中でも桜海老のかきあげついては品書では新玉葱とのかきあげだったのですが、玉葱の甘さが苦手なことを伝えると筍や水菜といった別の野菜に変えてもらえるなど融通の利く一面も垣間見えました。

今回の滞在で最も印象的だったのが私の後に入ってきた50代後半くらいの男性一人客です。同じカウンター席でしたが私とは端と端という位置関係だったので直接お話はできませんでしたが、話の内容から地元京都の方で常連とはいかないまでも何度かこの店に来たことがあるという感じの客でした。その客は六千円の「おまかせコース」を申し出たのですが、女将から料理の希望を聞かれた際に、女将から提案されたおばんざいにはまったく興味を持たず対照的な「こってり料理」を希望していたのです。このあたりは流石こってり好きな京都人の素性の表れでしょうか。自由気ままな男の一人酒かと見ていたのですが、暫く時間が経過した時にその客が意外な話を切り出し始めました。内容を要約すると、「数日後に〇〇という名前で予約が入っているはずだが、実は私の息子なんです。初めてできた彼女を初めて夕食に誘ったみたいで、そこで選んだのがこの店なんです。店の雰囲気や彼女連れで絶対に緊張しているはずだが、どうか息子を宜しく頼みます。」ということでした。さらにそれだけでは終わらず、当日まで二人には内緒でと前置きして二人の食事代を店に手渡したのです。陰で息子を見守る父親なりのサプライズといったところでしょうか。美味しい料理に心温まる挿話が温かみをを添えてくれ、ひときわ印象深いひとときとなりました。

品書きの単価はやや高い印象を受けますが、それでも京都という土地柄を考慮すると比較的入りやすい和食居酒屋といったところでしょうか。気軽に利用できる店ではありませんが、独酌向きの店ではあります。


<2019.4.30>

・花洛 特別純米
・柚子酒
・すだち酎ハイ
・南瓜の炊いたん
・おばんざい(茄子の炊いたん・南蛮漬・九条葱ぬた・万願寺唐辛子じゃこ炒め・卯の花)
・揚穴子九条葱あんかけ
・鴨わさ
・だし巻き
・桜海老かきあげ

ここら屋はなれ
京都府京都市中京区先斗町通材木町184
18:00~23:30
不定休


| 19年GW/改元の旅 | 20:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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呑処巡礼 五十三番 ~京都・伏見 大寅

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夜の部の前座として訪ねた利き酒主体の「吟醸酒房 油長」を辞去した後、本編となるに相応し居酒屋を発掘すべく事前情報を仕入れずに伏見の街を彷徨っていたところ、近鉄京都線の高架下に惹かれる一軒を見つけました。同じく高架下に線路と平行する形で設置された桃山御陵駅の改札口を抜けると目の前に飛び込んでくるのが表題の店で、伏見は松本酒造「日出盛」の酒樽が積まれた店構えがひときわ印象的な店です。改札目の前という立地、さらに土日祝は昼から営業しているという形態からして、地元民にこよなく愛される大衆酒場であるとお見受けしました。伏見という土地柄、お洒落で落ち着いた店で飲むものと想像していたところ、活気旺盛な大衆酒場に入店するとはやや予想外の流れだったのですが、自身の嗅覚から発掘した物件であるが故に流れに素直に従うのが良かろうと考え入店するに至った次第です。

店内正面に厨房があり右手にテーブル、左手にカウンターという少々珍しいつくりで店内には赤縁紙短冊に書かれた品書きが並びます。大型連休中ということもあってか店内のお客は少なめで、カウンターの角席に悠々と着席できました。魚介系の料理もあるものの基本的には牛串焼をはじめとした肉料理主体の店のようです。酒類も一品料理も殆どが500円以下という安さで、店の名物だという煮込みをはじめメンチカツやアジフライといったこってり系の料理をマカロニサラダと共に愉しみハイボールやサワーを気持ちよく飲み干しました。明るく派手で活気旺盛な雰囲気の店内は平日の夜などは仕事帰りの客などで大いに賑わうものと思われ、この日の大寅は本来の姿ではないのかもしれません。小倉競馬開催時には競馬の後で「武蔵」で飲むというのがほぼ固定化されていますが、京都競馬の後に「大寅」で飲むという新たな方程式が今後確立される可能性は十分にあります。


<2019.4.29>

・ハイボール
・カルピスサワー
・マカロニサラダ
・あじフライ
・あばら肉トロトロ煮込み(赤味噌)
・屋台の肉汁メンチ


大寅
京都府京都市伏見区近鉄桃山御陵前駅前高架下
月~金/午後5:00~翌0:00
土/午後2:00~翌0:00
日/午後2:00~午後10時
無休

| 19年GW/改元の旅 | 20:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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呑処巡礼 五十二番 ~京都・伏見 吟醸酒房 油長

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全国的に見ても屈指の酒処である京都伏見。一度この街に宿泊して居酒屋を訪ねたいと思っていて漸く宿願叶った次第です。訪ねる店の第一候補は事前調査をもとに「鳥せい本店」だったのですが、店の外まで待ち客が溢れている様子を見て潔くあきらめました。代替候補は考えておらず街を歩きながら自らの嗅覚で探り出そうと思っていたのですが、表題の店については競馬を終えて伏見に戻り駅から宿への道すがらに事前に見つけていた物件で、店の奥に利き酒ができるカウンターがあることをその時把握していました。「鳥せい本店」に振られた場合にはこの店で下地を作った上で本格的に酒場巡りに繰り出すという思惑の下、代替策に切り替えた次第です。

伏見桃山駅から真っ直ぐに伸びるアーケード街「大手筋商店街」の一角にあり、酒蔵を模したような店構えは圧倒的な存在感を放っおり、店の外からでも品揃え豊富な店であることが一目で分かります。京都伏見に構える23の酒蔵・蔵元の酒をすべて取り扱っているそうで、吟醸酒・大吟醸酒・季節の酒が幅広く揃いさらには果実酒やワインも多くの種類が売られていて非常に活気旺盛な店内です。その店内の最奥にあるのが「利き酒カウンター」。実際に販売されている日本酒を試飲できるというもので、その数は常時80~90種類に及ぶそうです。15席ほどのカウンターはすべて埋まっていたので暫く店の商品を見ながら待機していたのですが、先客が辞去するタイミングを見計らってカウンターの一角を確保しました。

各銘柄はミニグラスと御猪口が選択でき、好みの酒があるならミニグラスでいただくことになりますが、色々な酒を呑み比べたい私のような初心者には御猪口三種を選べる「利き酒セット」が相応なところです。各銘柄の御猪口価格は200~400円程度、利き酒セットにしても1,000円程度という非常に手頃な価格設定です。品書きを熟読しつつ「甘くない酒」を基本路線に選んだのは の三種。これにお通しの豆腐とふきのとうの味噌漬けがつきます。カウンターを仕切る店主は膨大な日本酒銘柄のひとつひとつの特徴を熟知しているとみられ、それらの知識をフル活用した接客はお客と日本酒との距離をぎゅっと縮めてくれます。このあたりは酒問屋経営の利き酒カウンターならではであり、伏見の酒問屋としての自信と誇りが垣間見えました。お客側もどちらかというとお酒に長けた方が多いような印象を受けました。ひとつ印象に残ったのは「和らぎ水」の話です。これは酒の合間の酔い覚ましに飲む水のことで、私自身も居酒屋訪問の際にはいただくことが多々ありますが、その場合には同義の「チェイサー」という言葉で頼んでいました。和らぎ水という言葉もその意味も以前から知っていて、この美しい日本語を一度居酒屋で使ってみたいと心では思っていたものの、どれだけ世間に浸透した言葉なのかも分からず店員に通じない可能性もあるという心配から使用することを躊躇っていたのです。油長の品書には「和らぎ水」のもつ意味が解説されていたことから店側に通じることが即座に分かり、初めて「和らぎ水」という言葉で水を頼みました。もしかしたら京都で生まれた言葉なのかもしれません。店の解説によれば、水だけでなくお通しとして出された豆腐にも酔い覚ましや口直しとしての意味合いが込められているとのことでした。


日本酒の品揃えが多くおつまみ程度の酒菜も揃っていますが、通常の居酒屋のようにゆっくり落ち着いて飲むことには向かず、あくまで利き酒の店というのがこの店の主旨ですので自分好みの銘柄を掘り起こすことに専念するのが賢明でしょう。長時間だらだらと居座るのは格好が悪いですが、逆に本格的に居酒屋に繰り出す前の下準備や0次会という位置づけで利用するにはこれ以上ない店だと思います。


<2019.4.28>

・京姫 純米大吟醸
・都鶴 山田錦純米 極辛
・銀閣 荒武者
・ふきのとう味噌漬け
・豆腐


吟醸酒房 油長
京都府京都市伏見区東大手町780
10:00~20:30
火曜定休

| 19年GW/改元の旅 | 20:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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呑処巡礼 五十一番 ~福岡 やす

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ほてい屋を辞去して酔い覚ましに10分ほど歩いて二軒目に移行しました。此処はビートさんが足繁く通われてきた馴染みの店だそうです。暖簾をくぐると内壁には博多山笠のポスターや写真があちこちに飾られ、カウンターには大皿惣菜が並び、地元の常連客が集い語らいながら酒を酌み交わすという素晴らしい雰囲気。酒肴の料金も良心的で地元民に愛される大衆酒場であるのは一目瞭然でした。

地元色の強い店は一人で入店するのには最初は勇気がいるものですが、そういう意味では今回ビートさんとご一緒だったのは随分と心強かったです。福岡県人には排他的なところがほとんどなく、他所から来た人間には福岡の魅力を惜しみなく語り、心の底から歓迎してくれる気質があるそうです。そういった福岡県民の気質に触れるにはこのような店は絶好といえるでしょう。ポテトサラダ、肉じゃが、すり身天など、カウンターの大皿惣菜を中心に頼みましたがどれも良心的な価格で美味しく、引き続きそれぞれの近況報告などをしながら博多の夜は更けていきました。ビートさんは春になると福岡を離れ旅を再開するそうです。この先の活動が充実したものになるよう陰ながら応援しています。


<2019.3.22>

・ライムハイ
・ポテトサラダ
・肉じゃが
・すり身天

酒房 やす
福岡県福岡市博多区下川端町8-17
17:00~22:30
土日祝定休

| 日常の話題 | 21:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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