ニッポン風めぐり紀行

各種旅行記、バイクツーリング、乗りものレポ、老舗旅館や街道探訪など、『旅に生きる日々』を綴るブログです。

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呑処巡礼 九番 ~松江 庄助

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松江はおでんを取り扱う店が非常に多く、その中でも予てより訪ねてみたいと思っていたのが「庄助」である。

松江駅からは徒歩10分程度。宍道湖と中海を繋ぐ大橋川の畔、松江大橋の南詰に、大きな赤提灯を吊るした雰囲気の良い店が庄助だ。柳の枝垂れる大橋川沿いの立地というのが、いかにも水の都 松江を象徴していて良い。




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暖簾をくぐると目の前にはコの字型のカウンター。大橋川沿いには小上がり。二階にも部屋があるようだ。カウンターの内側のおでん鍋では様々な具材が煮込まれ、割烹着姿の女将さんが忙しなく注文をさばいている。せっかくなので、ちょうどそのおでん鍋の目の前の席に座った。暫く観察していると、店の奥にある厨房やホールでの注文取りは学生アルバイトが担当しているが、おでん鍋は女将さんが一人で取り仕切っていて、他の従業員を寄せ付けない聖域であることが分かった。次にどの具材を投入するか、煮込む時間はどのくらいか…。お客からの注文順を考慮しながら、それをすべて頭に入れたうえでおでん鍋をコントロールしている。



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100円から150円程度の手頃な値段のおでん種が多く、どれを選んでよいか迷ってしまうが、とりあえず自分の好みに任せて卵・じゃがいも・春菊・牛スジを発注。中でも春菊は最も好きな具材の一つで、二度も発注してしまった。

一方で、私はおでんの大根が非常に苦手である。全く食べられないという訳でもないのだが、口に含むと何となく嗚咽感がして嫌なのだ。刺身のつまやおろしなどの生の大根は大好きなのだが、煮込まれるとどうも好かない。そんな訳で今回も頼むことはなかった。

この時間、カウンター席には私ともう一人の客のみ。おでんが温まるのを待つ間の空気感、注文通りに取り裁く迅速さ、そして時折お客に話しかけてくれる気配り。女将さんとの絶妙な距離感の中に、おでんの香りが広がり、居心地の良い雰囲気が広がる。

帰り際、店の主人らしき人が「だんだん」という言葉と共に入り口の扉を開けて店先まで見送ってくれた。

身も心も温めてくれる庄助は、間違いなく松江の良店である。





<2016.11.8訪問>


えのき
春菊×2
すじ
とり団子
厚揚げ
じゃがいも
たこから揚げ
自家製コロッケ
焼酎(麦)×2


庄助
島根県松江市八軒屋町16
0852-21-4238
17:00~22:30
定休日:日曜・月曜祝日
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呑処巡礼 八番 ~上野 えんぱち

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場所は、アメ横センタービルからJRの高架を挟んだ反対側。

焼鳥をメインにした居酒屋のようだ。やや派手めな外観だが、店頭看板に書かれたメニューの価格の手頃さと、店内が比較的空いているようだったので入店した。

通されたカウンター席の目の前に並ぶ焼鳥の具材にも惹かれたのだが、入店前にすでに目をつけていたメニューがあってそれらを注文した。


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麦焼酎と肴三品を発注。

ゆで玉子のしょうゆ漬けは、白身にもしっかりと染み込んだ醤油だれが濃厚な味で癖になる。

牛タンの塩蒸しも絶品。分厚いタンは噛みごたえがあり、塩加減もちょうどよい。

焼鳥を頼んでも良かったのだが、これだけで十分満足してしまったのでいい気分で30分強の滞在で退店。




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そしてその足で向かいにある味噌ラーメン専門店『麺処 花田』へ。

「東京髄一濃厚味噌スープ」を謳う当店の味噌ラーメン。味噌ラーメン好きの私としては看過できなく、吸い込まれるように入店したのだが、まず入り口の券売機で食券を購入。味噌・辛味噌・味噌つけめん・辛味噌つけめんの4種類のみのメニュー構成で、お初なのでノーマルな味噌ラーメンを発注して食券を渡すと「野菜増し・ニンニク増しできますけどどうしますか」と尋ねられる。その増しっぷり加減がよく分からなかったので野菜増しは避けたのだが、ニンニクは大好物なので増しを頼んだ。



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野菜増しを注文すると、タワーのように野菜が盛られるらしい。もやしを中心に玉葱・人参・ニラが入るが、増しにしないとやや物足りない。他にはチャーシュー1枚にメンマがのる。刻みニンニクは別皿に盛られて供される。太麺に濃厚スープが絡んで美味い。特にスープは泡だったポタージュのようにドロドロで、ご飯と一緒に食べると間違いなく美味いはず(因みに平日昼間は半ライス無料‼)。

自分好みの味で、また利用してみたいと思える店だった。


<2016.8.5訪問>


・焼酎(麦)
・まぐろぶつ
・ゆで玉子のしょうゆ漬け
・牛タン塩蒸し


■えんぱち
東京都台東区上野6-9-22
03-3836-4804
14:00~23:00
無休

■麺処 花田 上野店
東京都台東区上野6-8-6 上野メガネセンタービル 1F
03-3836-0440
11:00~23:00
無休

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呑処巡礼 七番 ~高知 大黒堂

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一軒目の『葉牡丹』は必ず訪問すると決めていたのだが、続く二件目は事前情報を仕入れず、自らの嗅覚を信じて決めようと考えていた。地元民が足繁く通う値段の安い大衆酒場的な『葉牡丹』とは対照的に、次に暖簾をくぐる店は、地元の郷土料理に力を入れているお洒落で高級感のある店を選ぼうと目論んでいた。だから『葉牡丹』では高知の郷土料理の品書きを一切頼まなかった。



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そんなこんなで繁華街を歩いていると、お洒落な外観と「鰹塩タタキ」を掲げる看板が目に留まった。入り口のガラス戸から中を覗いてみるとカウンターには男性の一人客がいるのみだったので、入店することにした。

入り口のドアを開けると、ホールの責任者のような50代中盤の渋い声のおっさんが迎えてくれた。厨房では多くの従業員がテキパキと動いていて活気があり、ホール担当の若い従業員の動きも気持ちが良い。カウンターは3席のみで、あとは2階のテーブル席。ほとんどの客は予約して来店しているようだ。その客を先ほどの渋い声のおっさんが入り口で迎え、2階のテーブル席へとさばいている格好だ。

品書きには高知の味覚がズラリと並び、どれを頼もうかと迷ってしまうくらいだ。そうこうしているうちにお通しの貝耳の和え物が供され、取り敢えずは目玉の鰹塩タタキ、四万十の栗焼酎 ダバダ火振、そして四万十川のあおさ天を発注した。






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まさに戻りガツオが旬のこの時期に、高知で鰹を食せるとは至極の極みである訳だが、この鰹塩タタキはまさしく至極の一品だった。発注から提供まで15分くらい待ったのだが、その鰹たるやすさまじい分厚さでボリューム満点。程よい塩味の効いた鰹はほのかに藁焼きの香りが漂い、香ばしさが口いっぱいに広がる。ポン酢・わかめ・にんにく・青葱・玉ねぎスライス・レモン・しそといった豪華薬味の数々が味を引き立て、様々な味を楽しめるのが面白い。四万十あおさ天はパリパリ感がなく、ちょっと残念な味だった。ただそれを差し引いても、鰹塩タタキの印象が強く残った。







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続いては、山柚子のお酒、豚もやし、そしてカンパチの刺身を発注した。鰹塩タタキで十分満足したので、地元の果実リキュールの山柚子のお酒で締めようかと思っていたのだが、これが大きな間違いだった。こちらもかなり時間をかけて供されてきたカンパチの刺身だが、これまで寿司のネタや刺身で何度となく食べてきたどのカンパチとは比べ物にならないほどの分厚さで凄まじいボリューム。実の赤い部分と白い部分の色合いがはっきりしていて、特に薄いピンク色がかった身の白い部分の透き通るような鮮やかさには感動すら覚える。薄いピンク色がかった白身は天然物の証だそうだ。脂がのりにのった分厚いカンパチの刺身は期待通りの抜群の旨さ。付け合わせの塩キャベツ・大根おろし・生わさびとの相性も良く、盛り付けの美しさにも注目である。カンパチでほど満足してしまい、一緒に注文した豚もやしを食べきる頃にはおなか一杯になってしまった。

『大黒堂』は高知の味覚を存分に味わえることはさることながら、ボリュームのある料理ばかりであるほか盛り付けや食器にもこだわりが見られ、見た目にも楽しめる。1階のカウンターは3席ほどしかなく、それ以外は2階のテーブル席に案内されるため、カウンターで一人でゆっくり飲むにも向いていて、従業員や厨房との距離も近い。

正直なところ、一軒目に入店した『葉牡丹』の印象が薄らぐほど、強く思い出に残る高知の名居酒屋となった。






<2016.10.9訪問>

・ダバダ火振(栗)
・山柚子酒
・貝耳の和え物
・鰹塩タタキ
・四万十あおさ天
・カンパチ刺身
・豚もやし



大黒堂
高知県高知市はりまや町1-7-5
088-885-4139
17:00~24:00
日曜定休

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呑処巡礼 六番 ~高知 葉牡丹

2009年の日本一周で訪れて以来、約7年ぶりに四国の地を踏んだ。昨年の九州に続き、今年は四国を活動の重点地域にしていて、「道の駅スタンプラリー」をこなしながら今後も四国各地を巡る予定だ。



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そのスタンプラリーの一環で高知に宿泊する機会を得た。高知は過去に訪れたことはあるものの飲むのも泊まるのも人生初である。南国土佐は呑兵衛天国であり、海山の幸が味わえる居酒屋が多数あるとの話を耳にしていた。そんな高知の中で数少ない大衆酒場のひとつである「葉牡丹」の暖簾をくぐることにした。





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店舗ははりまや橋から程近く。国道32号線沿いにある・銀行等の金融機関が立ち並ぶ高知駅前の一等地の中で、ここだけ時間が止まっているかのような奇跡のような店の佇まいである。

入店前に暫く観察してみたのだが、次から次へと客が吸い込まれていく。私もつられて入店するとカウンターが1席だけ空いていて、首尾よく着席できた。店内は地元客と県外客が半々くらいか。厨房を囲むように配置されたカウンターは15~20席ほど。2階には団体客用のテーブル席もあるようだ。


暫くすると最初の注文を聞きに来てくれ、地酒「船中八策」と豆腐と土手焼きを発注した。

厨房はまさに戦場というか、とにかく目が回るような忙しさというのが端から見てもよくわかる。注文がひっきりなしに飛び交い、本当に意思疎通・指示系統が確立されているのかよくわからないが、それらの事情を年輩の常連客らはよく分かっておられて、なかなか料理がこなければ催促をすればよいだけの話である。私を新規の若造と見た隣席の常連客からも、「注文がこなかったら催促しないと損するよ」という忠告を受けた。従業員の中には韓国出身の従業員もおり、片言の日本語で一生懸命働かれている姿が印象的だった。


常連氏の注文を観察してみると、どうもここは豆腐系と串揚げが目玉のようで、特にスタミナ豆腐と串揚げの盛り合わせは大概の客が発注していた。最初に頼んだ土手焼の味が非常に印象に残っていて、濃厚でどろっとした肉の味は一緒に頼んだ豆腐と一緒に口にするとさらに美味しく、「船中八策」との相性も抜群だった。その後は麦焼酎×2と焼餃子を発注した。


私は調子に乗って90mlで500円以上する銘柄酒を発注したが、日本酒も焼酎も200円台からそろっており、各自が思い思いに酒肴を楽しんでおられる。葉牡丹は高価な酒肴を風格のある空間で贅沢に楽しむ場ではなく、安くて美味しい酒肴を一人静かに飲むもよし、隣近所と語らいながら飲むもよし、大勢で盛り上がって飲むもよしの、まさしく庶民の大衆酒場のような雰囲気だった。








<2016.10.9訪問>

・船中八策
・二階堂(麦)×2
・豆腐
・土手焼
・焼餃子



■葉牡丹
高知県高知市堺町2-21
088-872-1330
11:00~23:00

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呑処巡礼 五番 ~大阪・京橋 大衆酒場 京屋本店

7月の初旬。今年1月以来約半年ぶりに大阪への出張があった。

7月4日(月)の用務のため、自己都合前泊にして土曜からの大阪入りを目論んでいて、首尾よく実行に移した。





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益田から山口線の特急で新山口駅。ここから通常は「のぞみ」か「さくら」に乗車するのだが、時間が有り余っている身分でありこんな機会はめったにないので、新山口から新大阪まで「こだま」を乘り通すことにした。

11:58発の「こだま」740号新大阪行。(※画像は途中の三原駅にて)

やってきたのは8両編成の「レールスター」。もちろん車内はガラガラなのだが、敢えて指定席を取った。当然隣に人がこないどころか、1車両に数人といったレベルである。リクライニングも自由気まま、車両の最後部だったのでコンセントも遠慮なく使わせてもららいながら、気ままな移動の始まりである。

「こだま」は車内販売がないので、新山口駅のセブンイレブンでミックスグリル弁当とサラダを買い込み早速車内で昼食。ふたを開けて豪快にいざ食べようとしたところにきれいな女性車掌さんが通りがかり、一瞬目が合って微笑み返しをされて何だか恥ずかしかった…。

「こだま」なのでもちろん各駅停車なわけで、東広島・新倉敷・相生など普段ほとんど通過してしまう新幹線駅にも丁寧に停車してくれるのは貴重である。ほとんどの駅で速達列車の通過待ちがあるので、そのたびにホームに出て撮影をしたり外の景色を眺めたりと、のんびりとした時間が流れていく。

しかし、そんな時間が長く続くと人間飽きるもので、だんだんと「まだ着かないのか…」という心情も湧き出してくる。特に広島では14分、岡山にいたっては24分もの停車時間があるのでいよいよ退屈になってくる。それでも景色を眺めたり音楽を聞いたり、昼寝をしたり通路を挟んだ向かいの席に座ってきた綺麗なお姉さんを眺めたりしながら時間が過ぎていった。




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そんなこんなで16:14に新大阪到着。4時間15分にもおよぶ長旅であった。






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さて、用務が終わって宿泊先の京橋に向かい、そのまま京橋駅周辺に飲みに出た。JR京橋駅の東口には安くて渋い大衆酒場が密集していて、好きな人には垂涎ものだと思う。アーケードのかかった細い通りの商店街に、飲み屋・キャバクラ・パチンコ屋などが密集し、換気扇の排気のような熱のある空気が充満するさまはまさしく大阪。

入店したのは当初から目をつけていた「大衆酒場 京屋本店」。






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厨房周りのカウンターもテーブル席もかなり広いが、会社帰りの多くのサラリーマンで賑わっていた。カウンターもテーブルもほぼ満席だったが、運よく先客との入れ替わりで首尾よくテーブル席を確保することができた。




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壁には品書きがずらりと並ぶが、黒板に白文字の品書きなどはほとんど解読することができないほどになっている。酒も肴も驚くほどに安く、もはや何を頼んだか忘れるくらいいろいろと注文してしまった(上司と行ったのでほとんど奢ってもらった!!)。焼酎はペットボトルの水がそのまま置かれて自分で割って飲んでくれという方式。肴はいろいろ頼んだが、刺身はどうも食べる気になれなかったので注文していない。その代りどて焼きや串焼や天ぷらなどのこってり系の肴を大量発注した。特に美味しかったのは鶏皮餃子と蛸の天ぷら。蛸の天ぷらは美味しかったので2回注文したのだが、2度目の注文の時に趣向を変えてから揚げにしようとすると、「兄ちゃん、天ぷらの方がええんんじゃないかい??」というホールのおばちゃんの提言。から揚げか天ぷらかというとどうも天ぷらが好まれるようだ。やや衣の多い天ぷらと、一般的な天つゆのようなサラサラ感がなく、生ぬるくドッテリとした天つゆは好みのわかれるところだが、たこ焼きの本場だけあって中身の蛸は絶品だった。天ぷらなどは調理に時間がかかりそうなものだが、発注してから供されるまでの時間もあっという間で、しかも揚げたての天ぷらが出されるので誠に恐れ入った。

まったく愛想のないホール担当のおっさん・おばさん、鬼の形相でもくもくと料理を作る厨房担当、そして黙々と酒を飲み肴をつつく客。大阪弁が飛び交う店内には熱気がたちこめ、東京の大衆酒場とはことなる一種独特の雰囲気がある。

この大阪独特の熱気というのは苦手な人にとっては慣れるまでは大変かもしれないが、慣れてしまえば案外いけるかもしれない。かくいう私も大阪はどちらかというと苦手な地域だが、酒と肴を楽しんで店を出るころにはすっかり大阪の熱気に染まっていた。







<2016.7.4訪問>

・焼酎(麦)
・どて焼き
・玉子焼き
・ホルモン串焼、ハラミ串焼
・青ししとう
・蛸の天ぷら
・ハモの天ぷら
・エビの天ぷら
・鶏皮餃子



大衆酒場 京屋本店
大阪府大阪市都島区東野田町3丁目4-15(JR・京阪・地下鉄京橋駅東口すぐ)
06-6351-8030
12:00~23:00

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