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ニッポン風めぐり紀行

各種旅行記、バイクツーリング、乗りものレポ、老舗旅館や街道探訪など、『旅に生きる日々』を綴るブログです。

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呑処巡礼 三十六番 ~帯広 魚河岸紀翔

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帯広は北海道での活動の再終盤に宿泊することが多いのですが、過去の記録を振り返ると音更や上士幌といった郊外での車中泊が続いており、帯広の市街地に泊まるとなると前回は十数年前にまでに遡ります。帯広の夜の街は初心者同然といっても過言ではありません。この日は日曜日でさらに台風接近前夜という生憎の空模様も重なり厳しい条件の中で店を開拓せねばなりませんが、「十勝乃長屋」というLEDライトで照らされた比較的新しい横町を発見しました。二十軒ほどが連なる横丁ですがこちらもすべてが開いている訳ではなく、営業している店舗の中から十勝の食材を豊富に扱っていることを謳う「さとう」と「魚河岸紀翔」に候補を絞り、しばしの間悩んだ挙句に客入りの少ない「魚河岸紀翔」の暖簾をくぐることにしました。「和食紀翔」という本店が市内にあり、その支店兼居酒屋部門という位置づけの店のようで、本店よりも手頃な価格で料理を楽しめるようになっているようです。品書きを一通り眺めると確かに道内の食材とりわけ十勝の食材が豊富に揃っており、価格も400~700円程度の手頃なものが多く何を頼もうか目移りしてしまいます。

お通しのサメガレイの煮つけに始まり、蛸ザンギ、だし巻き玉子、コーンバター、インカのめざめ唐揚げと発注して一時間半ほど滞在しました。印象に残る品として挙げたいのはだし巻き玉子。音更は竹内養鶏場の卵を使っているというだし巻き玉子はまるで白身だけで作っているんじゃないかと疑う程に白いのです。後で調べてみると、道内産の飼料をほぼ100%に近い割合で鶏に与え、その中で米の割合を高くすることで白い卵が産まれるのだそうです。もうひとつはインカのめざめの唐揚げ。幕別は山口農園産の希少品種インカのめざめは見た目の濃い黄色といい口に入れた時の濃厚な甘味といい薩摩芋か栗かと錯覚するほどで、素揚げして軽く塩を振った一品は香ばしくて癖になる味わいでした。

店は男性店主が一人で仕切っていました。先入りの道外客が退店した直後に常連らしき家族連れと二人組が立て続けに来店し、店主と仲良くし始めたため私にとっては少々居心地が悪い時間が続いたのは残念でしたが勿論これで店の評価が下がるわけではありません。結局最後まで店主と会話する時間はありませんでしたが、常連客との会話を聞いていると魚釣りが趣味のようで魚に関する見識は深いように見えました。出された料理もどれも丁寧な仕事によって供された間違いのない一品です。此処は再訪する必要がありそうです。



・レモンチューハイ
・ゆず酢チューハイ
・サメガレイ煮付け(お通し)
・蛸ザンギ
・十勝竹内養鶏場だし巻き玉子
・十勝産コーンバター
・幕別山口農園インカのめざめ唐揚げ

<2018.9.30>

魚河岸 紀翔
北海道帯広市西1条南10 十勝乃長屋 (帯広駅徒歩10分)
080-4330-5259
18:0~翌3:00
不定休
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| 18年夏/北海道 | 20:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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呑処巡礼 三十五番 ~釧路 炉ばた しらかば

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幣舞橋で夕陽を見届けてから末広町・栄町の繁華街にやってきました。何処にどの店があるかあらかた把握しており目星をつけている店もあるのですが、それでも一通り歩いてみて物色を試みた末に選んだのは「しらかば」でした。旅仲間のブログや太田和彦氏の著書にも掲載されている店で、前回訪ねた「万年青」と並んで興味深い店のひとつでした。18時過ぎという早い時間での口開け入店。カウンターと小上がりの店内はほんのり薄暗く厨房の中心には炉端の焼台が鎮座します。店内には自生の原木をそのまま利用したと思われる白樺の木柱がカウンターのテーブルに一部が埋まる形で聳えたっており、その木にすがれる位置のカウンター席に案内されました。

店を仕切るのは白割烹着姿の女将とお手伝いさんらしき女性。入店早々着席したとたん、「あなた独身貴族でしょ?絶対そうでしょ?」と唐突に言われ困惑してしまいましたが、私が初見の客だと分かると、昔から使っている品書きは一応あるが有り無しがあるから、食べたいものを言ってくれと案内されました。いいちこの水割りと共に運ばれてきたのはお通しの氷頭なます。この後続けて牡蠣豆腐に切り干し大根と三品も運ばれてきたのには驚きました。いずれもごまかしの効かない手の込んだ一品料理です。お通し三品に触れただけでも女将の料理に対する本気度ともてなしの心が伝わってくるようでした。




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ここからが本線でまずは刺身から。旬の秋刀魚は必須としてもう一品頼みたいところに、女将から勧められたのは釧路沖の調査捕鯨で獲れたミンククジラの生肉と同じく釧路沖で獲れたという蛸。秋刀魚と鯨をお願いして結局追加で蛸も食しました。つまとパセリの葉で飾られた美しい刺し盛りの中心に鎮座する尾頭付きの秋刀魚は抜群の鮮度と脂ののり。前日に標津で冷凍ものの秋刀魚刺しを食わされていただけに美味しさもひとしおでした。秋刀魚と鯨はそれぞれ刺身醤油と行者葫漬けの醤油で食すると美味しいからということで二種の醤油を貰い、さらに追加で頼んだ蛸には新しい醤油を用意してくれるなど、ここでも女将の拘りようが垣間見えました。

後半は当店の名物だという鹿肉を所望。スペアリブと串焼きがあるとのことで食べやすそうな串焼を発注しました。炉端で焼ける串焼きの焼き上がりを指を加えて待つわけですが、別の客が頼んだスペアリブが一緒に焼かれており、面積の小さい側を立たせて焼くために肉の両側にホタテの貝殻を立てて壁を作ったり、肉の上から蓋のように被せるなど拘りの焼ぶりを興味深く拝見していました。三本セットの串焼はそれぞれ塩・味噌・タレで。特に継ぎ足し継ぎ足しで使っているという自家製の甘辛いタレの美味しさは群を抜いていました。二時間近く滞在したところで徐々に満席で振られる客も出始めたため、最後に柳葉魚の雄雌を焼いてもらい締めとしました。会計前には黒豆の煮物と温かいお茶が出され、「来年は奥さん連れて来るんだよ」と女将と一方的な契りを交わされて店を後にしました。

世話焼きで話好きな女将と、寡黙冷静に女将を支えるお手伝いの女性によって切り盛りされる「しらかば」。店でひとときを過ごして感じたのは、道内の美味しい料理を味わってほしいという単純明快な女将の思いに他なりません。色々と料理を勧めてきたり、あるいはその感想を聞かれたり、根室の酒を所望すれば「釧路にいるんだから『福司』を飲んだらどうなのよ」と助言されたりと少々お節介な部分もある話好きな女将なのですが、決して不快感や嫌悪感を抱くわけではなく、程よい距離感と軽妙な客あしらいは誠に心地よいのです。女将の振る舞いは、裏を返せば選んだ素材に敬意と誇りを持ち、自身の手によってこしらえた料理に自信を持っていることの表れでしょう。「しらかば」を楽しむ秘訣は、自分の好みを素直に伝え女将にある程度任せることです。そうすれば女将も喜んで料理を供してくれるはずです。逆に表面的な知識をさらけ出したり知ったかぶりをすれば女将に見透かされるだけでなく、数十年と釧路の街で仕事をしてきた女将に失礼というものです。

唯一残念だったのは、予約席として用意されていた椅子に客が最後まで姿を現さなかったことです。ちょうど私の右隣の二席だったのですが、約束の時間になっても来店する気配がなく店側への連絡もないようなのです。そのうち席が埋まり始め、来るかどうかもわからない二席を確保するために無予約の客の入店をやむなく断るという場面まで見てしまいました。結局最後まで予約席は埋まることはありませんでした。カウンターに用意されたお通しを残念そうに下げるお手伝いの女性の表情を忘れることができません。

秋の味覚の季節が到来した時、私は再び「しらかば」の暖簾をくぐるだろうと思います。

ただし、嫁さんを連れて来るという女将と交わした約束は、残念ながら果たせそうにありませんが…。


・いいちこ(日田)
・福司(釧路)
・氷頭なます
・牡蠣豆腐
・切干大根
・刺身(秋刀魚・鯨・蛸)
・エゾ鹿串焼
・柳葉魚


<2018.9.29>

炉ばた しらかば
北海道釧路市栄町2-3 (釧路駅徒歩15分)
0154-22-6686
17:30~24:00
日祝定休

| 18年夏/北海道 | 08:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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宿泊帳簿84.秋葉原 GLANSIT AKIHABARA

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大都市部を中心に増殖の一途をたどっているのが進化型のカプセルホテルです。従来のカプセルホテルを基本としながらも、寝具やアメニティに拘ったもの、客室を広くしたり半個室化させたもの、テレビや電源設備や大浴場といった設備面を充実させたものなどがあり、通常のビジネスホテルより割安だが快適さも追求したワンランク上のカプセルホテルといったところでしょうか。私自身も広島、長崎、横浜などには定宿とも呼べるカプセルホテルがあり、日々世話になっている一人です。割安とはいえ、もともとのホテル相場が高い大都市部の進化型カプセルホテルと、地方都市のビジネスホテルはほぼ同価格帯であり、今回秋葉原で利用した表題のホテルも一泊素泊で4,900円でした。三連休の真っただ中での利用だったこともあり幾分割高な印象を受けます。




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まずは客室内。24インチTVにコンセント電源にUSB差込口にWi-Fiといった通信環境は標準装備。東京西川と共同開発したという体圧分散式のマットレスを筆頭に布団や枕も清潔でフカフカで大変気持ちの良いものでした。さらに、壁際のコンセント部分がへこんでいてスマホ等の端末機器が置けるよう工夫されていること、壁の一部がクッション素材になっていてそこに身体をもたれてTVを見ると快適性が増すなど、細やかな工夫がなされている点は好感が持てました。続いて客室以外では、スーツケースも収納可能な専用ロッカーに大浴場にアメニティ類、無料のドリンクサーバーに雑誌・新聞コーナーなどの設備が充実しており不自由することがありません。

一昔前のカプセルホテルというと経済的に困窮した人が利用する簡易宿所や終電を逃したサラリーマンが翌朝までを過ごす仮眠所といった少々男臭い性格が色濃く残っていましたが、最近のカプセルホテルは旅行者のための「ホテル」としての性格が前面に押し出されています。その快適性は一般的なビジネスホテルを凌ぐとも言っても過言ではありません。特に宿泊料金の高い大都市部では、カプセルホテルが宿泊の主流となる日もそう遠く無いように感じます。


<2018.9.16> 一泊素泊 4,900円(楽天トラベル利用)

■GLANSIT AKIHABARA(グランジット 秋葉原)
東京都千代田区外神田4-4-6(秋葉原駅電気街口徒歩3分)
03-3526-3818

| 日常の話題 | 21:29 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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宿泊帳簿83.昭島 ホテルS&S モリタウン

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九月の敬老の日三連休は私用で東京へ。行程上、立川か八王子に宿泊したかったのですが三連休中日のこの日は宿泊料が高騰しており取り付く島がなく、さらに範囲を広げて検索するもなかなか手頃な物件がありませんでした。しかし直前になって表題のホテルに空きが出ており、立川から青梅線を10分ほど下った昭島に宿をとったという顛末です。手頃価格とはいっても軽朝食付で7,500円でしたが…。

昭島駅北口徒歩1分という抜群の立地。昭島駅は過去に何度か降り立ったことがあるのですが、ホテルのある北口には「モリタウン」という大型ショッピングモール、南口には古くからの商店街があり便利な街であることは知っていました。ホテルを含めモリタウンや昭和の森一帯の施設を運営しているのは地場のグループ企業で、宿泊料金さえ許容できればこういった地場ホテルは積極的に活用したいものです。



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この日はかなり草臥れていたため夜の部は見合わせ、モリタウン中核のイトーヨーカドーで買った割引惣菜と缶チューハイで部屋飲みとしました。客室は快適そのもので不自由することはなく、珍しい設備としては無料で利用できるスマホが客室毎に置かれていました(※9/30をもってサービス終了)。無料の軽朝食には大した期待もしていませんでしたが、まともなおかずは業務用を温めただけと思われるミートボールとスクランブルエッグのみで、サラダにパンに白御飯に漬物に即席の味噌汁という残念な内容でした。パンも品数は数えるほどしかなく、毎日同じ内容なら連泊者の方には厳しいと思います。


<2018.9.15> 一泊朝食付 7,500円(楽天トラベル利用)

■ホテルS&S モリタウン
東京都昭島市田中町562-8
042-545-7200


| 日常の話題 | 22:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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全行程終了

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結果的には無事に自宅に到着できましたが、一筋縄にはいかないのが新千歳空港です。今回も薄氷を踏む思いでの綱渡りのような移動を余儀なくされました。

12時半のフライトに合わせ、10時前の空港連絡バスに乗るべくすすきのバス停に並びました。空港までの所要時間は70分ですので十分に余裕があります。しかし、待てども待てどもバスはやってきません。客待ちのタクシー運転手が「待ってもバス来ないよ。このままじゃ飛行機に乗り遅れるよ」と不安を煽り、四人相乗りで九千円という料金で我々を言葉巧みに誘惑してくるのです。そのうち北都交通のバスが到着したのでタクシーを利用する者は一人もいませんでしたが、繰り返し誘導し続け挙句の果てにはバス停前にタクシーを横付けして「乗れ」と言わんばかりのタクシー運転手の言動は印象が悪く、非常に不愉快な気分になりました。目の前から消えてくれと怒鳴りつけてやろうかとも思い、結局バスが来たので思い留まりましたが札幌を発つ直前にして後味の悪さが残りました。結局約30分遅れですすきのを出発しました。そもそもこの空港連絡バスというのは札幌都心から北広島インターまでは豊平・福住・清田といった都心郊外の一般道を延々と走り、さらに停車停留所の数も多いため乗降に時間がかかり、慢性的に遅延しているのだと思われます。結局新千歳空港に到着したのは11時半でした。

出発一時間前に到着というのは新千歳空港では決して余裕のある時間ではありません。案の定手荷物預かりには長蛇の列ができており、預託完了まで20分近くを要しました。その後追加の土産を購入したり機内で食する弁当を購入したりして保安検査場はどうにかスムーズに通過できましたが、これだけ余裕をもって出発しても搭乗口には搭乗案内直前に到着するという際どさです。

新千歳はほぼ定刻に出発しましたが、その先も安堵はできません。強い向かい風を受け飛行に時間を要し、到着が20分ほど遅れるというのです。実は昨日キャンセルした羽田行は一本後の13時半の便で、羽田での石見行への乗継時間は約30分でした。降機はターミナル内の移動を考えると30分という乗継時間は決して余裕のある時間ではなく、新千歳の便に遅延が発生すれば乗継できない事態にもなり得る危険性をはらんでいたのです。そこでより余裕をもって一本前の12時半の便に振り替えたのですがこれが功を奏しました。後続便も同じように向かい風の影響を受けるはずですから、昨日と同便を選んでいたら羽田での乗り継ぎが10分しかなく、おそらく乗り継ぐことはできなかったでしょう。

石見行の飛行機に無事に乗り継ぐことができた時に漸く心の底から安堵したという感じです。搭乗率2~3割という空いた機内では旅を締めくくるに相応しいゆったりとした時が流れ、スタンプ帳を見返したりして長旅を振り返りました。飛行機から降りる際には私の様子を見ていたCAさんから「あのスタンプ帳は何ですか?」と声をかけられ、北海道の道の駅をすべて巡って帰ってきたところだと伝えるとたいそう驚かれていました。これで道の駅スタンプラリーが完結し北海道の旅はひとつの節目を迎えました。主題の性格上、道内全域を駆け巡る忙しない旅程が続きましたがこれもひと段落です。次回以降は移動スピードを緩め巡る地域をより絞って滞在志向の旅ができればと思いますが、「趣味は移動すること」を断言する私の性格上、ひとところに留まり滞在することが果たしてできるかどうかという思いもあります。スタンプラリーのように連続性のあるテーマに沿って次から次へと駆け巡るように旅をするのが自身の思考に合っているような気もするのですが、この先北の大地でどのような旅を描いていくのか今後の課題となりそうです。

次回渡道は来年のGWでしょうか。また来年…。

| 17年夏/北海道 | 17:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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