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ニッポン風めぐり紀行

各種旅行記、バイクツーリング、乗りものレポ、老舗旅館や街道探訪など、『旅に生きる日々』を綴るブログです。

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関門海峡の旅 ~ 思い出の風景②

鮮度落ちも甚だしく大変恐縮ですが、今年の2月に土日を使って関門海峡周辺を訪ねる活動を決行しましたので、備忘録を兼ねて活動の様子を書き記しておきたいと思います。訪ねるに至った動機としては、これまで幾度となく九州各地を訪ねてきてその都度関門海峡を往復してきたのですが、海峡を望む下関や門司の街をゆっくり訪ねた経験がなく、これを一度やってみたいという考えを予てより持ち合わせていたからです。複雑な潮流の関門海峡を大型船舶が行き交う様子には独特の風情が漂いますが、これを高速道路の関門橋で渡るとあっという間すぎてじっくり風情を味わうには遠く及ばず、通行回数が重なるにつれ九州に上陸するという感慨も徐々に薄まり単なる通過道になってしまっていたのです。しかしそれでは勿体ないと思い、じっくりと掘り下げる時間を持ちたかったのです。

関門海峡の旅 ~ 思い出の風景①はコチラ





■唐戸市場と巨大船舶

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人の多さと雰囲気の悪さは覚悟の上で朝食を求めて唐戸市場へ。週末祝日限定で「活きいき馬関街」と銘打ち、握り寿しや魚のフライや天婦羅、海鮮丼や海鮮汁を売り競う催しです。品揃えも値段も各店大差なく、たいして何も考えずに好みの寿司を購入して2階のテーブル席で雑踏を真下に見ながらの朝食です。選んだネタはサーモン、炙りサーモン、ネギトロ、鯵、鰤。シャリもネタも大きすぎて、寿司というよりかは刺身と白飯を一緒に食べている感じでした。

唐戸市場を出て関門海峡に目をやると関門橋の真下で巨大船舶が離合するというタイミングで、この日は生憎の天気だったのですが傘もささずにその瞬間を押さえました。この船は何を積んで何処から来て何処へ向かうのか。船の構造や船体に書かれた字体、掲げられている国旗等をヒントにそれらを想像するのが楽しくて仕方ありません。関門橋直下での離合に続けてさらに日本海側からもう一隻巨大船が航行してきて合計三隻の関門海峡通過を見届けました。私は普段ウォーキングやランニングなどしませんが、下関に暮らしていたら毎日海峡沿いを走ったり歩いたりすると思います。




■巌流島上陸

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続いて関門海峡に浮かぶ巌流島を初めて訪ねます。送り届けてくれるのは創業明治22年の老舗海運会社関門汽船。下関~門司の直通航路以外に巌流島を経由する航路があり、今回は900円で何れの航路も乗降自由という一日券を購入しました。一回の利用料金が400円ですから、3回乗れば元が取れる計算です。歴史の舞台となった巌流島ですが、武蔵と小次郎の決闘像がある以外は特段見るべき場所もありません。バーベキュー広場なんかもあったりしますがそもそも島の3分の2が私有地ですから行動できる場所も自ずと限られてくるのです。歴史に興味がないゆえに決闘像にすら関心を示さない私ですが、この島の一番の魅力は海峡を行き交う巨大船舶を静かな雰囲気の中で間近に見られるという点に尽きます。ちょうど大型コンテナ船が日本海方へ通過していき、その様子をただただ眺めているだけで幸せな気分になります。




■門司港駅

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長きにわたり九州の玄関口としての役割を果たしてきた門司港駅を表敬訪問。残念ながら駅舎は絶賛大規模改修中でしたが、関門連絡船連絡通路や帰り水といった遺構を見学しつつ暫しの時を過ごします。「帰り水」はかつて戦後の引揚者が此処で喉を潤したという水呑場で、今なお現役の上水道です。門司の水が美味しいという印象は薄いですが、実際に飲んでみると非常に美味しくて驚きました。





■九州鉄道博物館

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2009年以来の再訪です。往年の国鉄特急車両が展示されており、車内も自由に見学することができます。馴染み深いところでは481系や581系そして14系寝台客車といったところでしょうか。581系の一部は座席がヒルネ仕様になっておりここで約5分、さらに14系客車のB寝台上段で30分ほど実際に横になって昼寝をしながら過去の記憶に思いを巡らせます。




■亀山八幡宮

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門司での活動を切り上げ、唐戸直通の関門汽船で下関へ戻ります。関門海峡の下関側には船舶向けの潮流信号が設置されており、国道9号を走りながらこれを目にすると下関に来たという実感が湧くのです。正式には「火ノ山下潮流信号所」という施設だそうです。フェリー乗船時に乗組員に信号表示の意味を訪ねると、例えば「E・4・↑」の順に点滅なら「東向き、潮速4ノット、この先潮速上がる」の意味なのだそうです。この日は節分だったのですが、私は気の入れ替わる節分に寺社を詣でることを毎年の習慣にしており、今年は関の氏神・亀山八幡宮を参詣することとしました。唐戸の高台にある八幡宮からは関門海峡を俯瞰でき素晴らしい風情です。境内には昭和天皇が詠まれた和歌の歌碑が建っており、歌に込められた思いを推し量るとともに美しい日本語の響きに魅了され、私も祭神に手を合わせて今年一年の健康を祈ったところで本活動を終えて帰路につきました。

「あめつちの 神にぞいのる朝凪の 海のごとくに波立たぬ世を」

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| 日常の話題 | 22:16 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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宿泊帳簿103.下関 グリーンホテル下関

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「関門海峡の旅」において利用したのが表題のホテルです。山口県は宿の相場が非常に安く、それは下関においても例外ではありません。ネットで検索すると週末でも4~5千円、平日に限れば3千円程で一般的なビジネスホテルのシングル個室が複数箇所紹介される始末です。今回利用した「グリーンホテル下関」も一泊素泊で3,900円という安さでした。

大歳神社に繋がる階段参道の隣にL字型に建物が建ち、最上階だった私の部屋からは大歳神社の境内が覗けました。繁華街の豊前田商店街の入口に立地しているので夜の街に出るのも便利。私が訪ねた「三枡」は豊前田とは反対方向ですが、徒歩圏内で不便することはありません。


<2019.2.2宿泊>
一泊素泊3,900円 ※楽天トラベル利用

■グリーンホテル下関
山口県下関市竹崎町1-16-13


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呑処巡礼 四十番 ~下関 三桝

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関門海峡を望む下関駅南口。グリーンモールの入口際にパチンコ屋と不動産屋に挟まれる形で建つのが表題の店です。店の入口は通りから細路地を進んだ突き当たりにあります。入口は磨りガラスになっていて中のようすは伺えませんでしたが、勇気をもって扉を開けると右側にもうひとつ扉があり、従業員の挨拶で迎え入れられました。店内は厨房を取り囲むようにL字形カウンター、壁際には小上がりがあります。18時前の入店でしたが、カウンターは一席空けて客が埋まる程度の程よい混み具合で、私は一番手前のカウンターに陣取りました。



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品書きが書かれた黒板が目の前に置かれて一応は眺めましたが、今が旬のふくと鯨の刺身で気持ちはほぼ固まっていました。しかしながら「ふくさし」は時価とあり、値段を尋ねてみると4,500円ということで流石にこれは躊躇しました。暫し悩んだ挙句、初陣はふくの発注を見送り、鯨さしと鯵のなめろうとしました。

厨房には年老いた白髪の女将とその子息らしき男性、その脇をお手伝いの女性二名が固める四名体勢。鮮魚の調理は主に男性と女将が担当し、その他雑務はお手伝いさんといった役割分担のようです。お手伝いさんの話ぶりから、男性と夫婦という訳ではないように感じました。その男性から直々に供された鯨は冷凍物でしたが、溶けすぎると美味しくなくなるから早めに食するよう男性より助言があるなど、食べ方についての細やかな気配りがいただけるのは好印象でありこちらも勉強になります。しかし年老いた女将はさらその上をいき、給仕ついでに厨房そっちのけで客と話し込む場面も多々見られます。月日貝の刺身を頼んだ隣の客のところに女将が料理を運んできたときには、山陰は萩から仕入れたものであること、片方は褐色、片方は黄色と表裏異なる美しい貝殻模様がその名の由来であるとの言葉を添えていました。その姿には、仕入れた食材に対する揺るぎない自信と、お客に喜んでもらいたいとの思いが透けて見え、当店が地元に愛される大衆酒場であり続けている所以を見たような気がしました。

居酒屋には値段表示のない品書きを出しているところもあり当初は発注に抵抗があったものですが、近年は飲むときはいちいち値段を気にするのは野暮で、自身が食べたいものを好きなように食することを心がけていました。そんな私でも、流石にふくさしの時価価格は即決できず、妥協して千円のふくちりにするかで大いに悩みました。私はふくを好んで食べる習慣はなく、人生でふくを食したのは数える程度で味の良し悪しの分別ができるほど詳しくありません。だからこそ本場の下関で旬の味覚を食することで新たな発見に繋がるのではとの結論に達し、意を決してふくさしを注文しました。




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しかし入店から一時間を過ぎて19時となり、店内は俄かに活況を呈してきました。予約客以外は振られる人も出てきたほか、注文もやや滞り気味となり、私のふくさしも供されるまでに30~40分ほど時間がかかりました。青磁器の平たい皿に薄造りにされた30切ほどが花形に綺麗に盛られ、その中心には皮ともみじおろし。ポン酢の中に付け合わせの柑橘の果汁を絞り落とし、薬味の葱を巻いて食してくれと言われました。一つ疑問に思ったのはこれだけ出てくるのに時間がかかったにも関わらず、皿がキンキンに冷えていたことです。おまけに盛られていた身もみずみずしさがなく鮮度が感じられません。最初は、時価料金を謳っていながら、既に切り盛りして冷やしてある出来合いの刺身をそのまま出したのかと疑いの目をもっていたのですが、次第に河豚に対する私の勉強不足に起因する誤解であるように思えてきました。

ふくの身の特徴の一つに硬さがあります。一般的な刺身の厚さで切り分けてしまうと弾力があって咀嚼できないため、皿の模様が透けて見えるほどの薄造りにして供するのです。二つ目は極めて淡白な味わいであることです。最近は脂ののりのよい鮮魚が好まれ、私も鮪やサーモンや鰤などを好んで食べますが、濃厚な味に慣れてしまっている身分にはふくの淡白な味はやや物足りず、正直なところ初めは注文して失敗したと思いました。値段相応の満足感が得られないと思ったからです。しかし食を進めていくうちに噛めば噛むほど味わいが増していくのが分かるようになり、ふくの食べ方のコツを少しだけ理解したような気がしてきたのです。ここからはあくまで推察ですが、河豚という魚は獲れたて切りたての鮮度抜群のものが必ずしも美味しい訳ではなく、暫く身をねかせて熟成させた方が美味しさが増す魚なのでしょう。刺身を冷蔵庫に入れていたのもおそらく一度切り分けて皿に盛った後、少しねかせて熟成させるのと余計な水分をとばす目的があるのだと思います。そして淡白な味わいだからこそ、もみじおろしや葱といった薬味が味を引き立たせる重要な役割を担い、柑橘果汁を絞り入れたポン酢と合わせて脇役とは呼べないほどの存在感があります。これだけ手の込んだ一品であることを思うと、「時価」にも納得がいくように気持ちが変化したのです。

ふくの本場を旬の時期に訪ね、食の奥深さを知る。

これぞ旅の醍醐味です。


<2019.2.2>

・いいちこ
・ひれ酒
・あじなめろう
・鯨さし
・ふくさし

■三枡(みます)
山口県下関市竹崎町2-13-11 三枡ビル
15:00~23:00
休:正月・盆

| 日常の話題 | 20:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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関門海峡の旅 ~ 思い出の風景①

鮮度落ちも甚だしく大変恐縮ですが、今年の2月に土日を使って関門海峡周辺を訪ねる活動を決行しましたので、備忘録を兼ねて活動の様子を書き記しておきたいと思います。訪ねるに至った動機としては、これまで幾度となく九州各地を訪ねてきてその都度関門海峡を往復してきたのですが、海峡を望む下関や門司の街をゆっくり訪ねた経験がなく、これを一度やってみたいという考えを予てより持ち合わせていたからです。複雑な潮流の関門海峡を大型船舶が行き交う様子には独特の風情が漂いますが、これを高速道路の関門橋で渡るとあっという間すぎてじっくり風情を味わうには遠く及ばず、通行回数が重なるにつれ九州に上陸するという感慨も徐々に薄まり単なる通過道になってしまっていたのです。しかしそれでは勿体ないと思い、じっくりと掘り下げる時間を持ちたかったのです。




■彦島・またゆこ食堂のアジフライ定食

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朝方に益田を出発して萩方面へ。小郡・萩道路の美東から県道と国道を繋いで美祢や小月を経由して昼前にはみもすそ川公園に到達しました。一旦市街地を素通りして彦島界隈で食事処を探索していたところで目が留まったのが「またゆこ食堂」です。二階以上が賃貸住宅で一階部分に店舗が入る複合ビルに入居した食堂で、暖かみのある外観と手ごろな値段に引き寄せられて入店しました。女性三名ほどで切り盛りされていて客の入りも上々。従業員との会話の様子からその多くが顔の知れた地元客のようでした。印象的だったのは地元の子どもの存在です。ちょうど私が陣取った同じカウンターで小学校中学年くらいの子ども二人が仲良く食事をしていたのです。暫くするとまた別の子どもがやってきて、定食を持ち帰りで注文したのです。いずれも初めて来店という感じではありませんでした。私が来店したのは土曜日の昼時。学校は休みだが親が仕事で昼飯がない子どもが此処にやってくるのでしょう。店を仕切る女性三名も同じくらいの子どもがいそうな年代とみえ、もしかしたら地元のお母さんたちが交代で店の当番をしている「こども食堂」としての役割もあるのかもしれません。発注したのは日替わり定食でこの日は「アジフライ定食」。注文を受けてから揚げてくれるので揚げたて食感がたまりません。優しい味のバランスのとれた定食で、野菜不足の身としては大助かりです。日替わりも含めると7種類の定食が680~700円で提供されており、手頃な値段と豊富な種類は店を利用する子どもを考えてのことかと推察します。




■火の山公園
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再びみもすそ川界隈に戻り、海峡を望む火の山公園を訪問。ロープウェイが冬季休業ということで自走です。初めて訪ねたのですが、関門海峡の全景を仰ぐ屈指の眺望に心が震えました。関門海峡の眺望は門司側よりも下関側が勝るというのが私の見立てですが、火の山公園こそが下関側の眺望王者であると言えそうです。




■下関駅
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下関駅の記憶は驚くほどに乏しいものです。益田から九州へ渡る場合はほぼ100%自動車で、関東で暮らしていた時も列車旅で九州へ渡った記憶がありません。九州方面の寝台列車が東京駅から発着していた頃の記憶はあり、これに乗って一度九州まで旅したいと思いながらも当時蓄えに余裕のなかった私はあきらめざるを得なかったのです。旅を決行していれば下関の記憶のひとつも刻まれていたかもしれませんが、すべてが失われた今になって思えば後悔しかありません。駅舎は新しくなってしまいましたが、駅周辺は再開発による新しい建物と旧然の高密度な雑踏が融合したような古くて新しい雰囲気で独特の旅情が漂います。下関を行き交う列車群は国鉄型車両が大勢を占めますから、これらが淘汰されて過去の産物にならないうちに、鉄路で関門海峡を渡ってみたいものです。

| 日常の話題 | 22:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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全行程終了

夜19時頃に無事に帰宅しました。都市部の高速道路などは事前予想に反して大きな渋滞が発生せず順調に流れているようですが、松江市内も夕刻時であるにも関わらず車通りが非常に少なくて驚きました。連休最終日は皆さん自宅でゆっくりといったところなのでしょうか。

京都と北陸を主戦場として展開した今回の活動ですが、事前の計画にかける時間が少なくやや見切り発車的に出発したにも拘わらず、思いのほか充実した旅となりました。明日からの仕事のことを思うと気が重いですが、次なる旅へ思いを馳せて気持ちをつなげていきたいと思います。

以上、お疲れさまでした。

| 19年GW/改元の旅 | 20:35 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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